シソと大葉とゴマの葉の違い|香り・味・用途を徹底比較
日本の食卓でおなじみの「シソ」や「大葉」、そして韓国料理などでよく使われる「ゴマの葉」。
どれも見た目が似ていて、香り高い葉物として料理に使われますが、それぞれに由来や味わい、使い方の違いがあります。
この記事では、「シソ」「大葉」「ゴマの葉」の違いを、わかりやすい比較表とともに紹介します。
シソとは?
「シソ(紫蘇)」とは、アジア原産のシソ科の植物で、日本では古くから薬味や香味野菜として親しまれてきました。
名前の由来は「蘇(よみがえる)」という意味を持ち、古来は漢方としても使われていたほどです。
シソには「青じそ」と「赤じそ」があり、青じそは香りづけや刺身のつまに使われ、赤じそは梅干しやゆかりの色づけに使われます。
つまり「シソ」は植物全体の名称で、「青じそ」「赤じそ」はその種類の呼び名です。
大葉とは?
「大葉」とは、実は「青じその葉」のことを指します。
もともと「シソ」は植物名であり、青じその葉だけを商品名として販売する際に「大葉」と呼ぶようになりました。
1970年代頃、出荷業者が「シソの葉」と区別するために「大葉」という呼び名を使い始め、現在では一般的な名称として定着しています。
つまり、「シソ=植物全体」、「大葉=その葉っぱ部分」と理解するとわかりやすいでしょう。
香りが爽やかで、刺身、天ぷら、冷奴、パスタなど、和洋問わず幅広く使われます。
ゴマの葉とは?
「ゴマの葉」とは、「エゴマ」という植物の葉のことを指します。
「エゴマ」はシソ科の植物ですが、「シソ」とは別の種類です。
韓国では「ケンニプ(깻잎)」と呼ばれ、焼肉やナムル、キムチなどによく使われます。
ゴマの葉は香りが強く、やや苦味と渋みがあります。
また、葉が厚くてしっかりしているため、肉やご飯を包んで食べるのに向いています。
見た目は大葉に似ていますが、香りと風味がまったく異なります。
シソ・大葉・ゴマの葉の違い比較表
項目 | シソ | 大葉 | ゴマの葉 |
---|---|---|---|
分類 | シソ科シソ属の植物 | 青じその葉の部分(商品名) | シソ科エゴマ属の植物 |
見た目 | 青じそは緑、赤じそは赤紫 | 緑色でギザギザの葉 | やや厚く丸みがあり、緑色 |
香り | 爽やかで清涼感のある香り | 青じその独特な香り | ごま油のような香ばしい香り |
味の特徴 | さっぱりとした風味 | 清涼感と軽い辛味 | 苦味と渋みがありコクがある |
主な用途 | 薬味、漬物、飾り | 刺身、天ぷら、パスタなど | 焼肉の包み、ナムル、漬け物 |
主な産地 | 日本、中国 | 日本国内各地 | 韓国、日本(東北地方など) |
流通名 | 青じそ・赤じそ | 大葉 | エゴマの葉・ケンニプ |
味と香りの使い分けポイント
料理で使う際は、香りと食感の違いを意識すると良いでしょう。
シソ(特に大葉)は清涼感があり、脂っこい料理をさっぱりさせたいときに最適です。
一方、ゴマの葉は香ばしさとコクがあるため、濃い味の料理や肉料理との相性が抜群です。
それぞれの文化背景
シソや大葉は日本料理の代表的な薬味として発展し、繊細な味付けや香りづけに使われてきました。
一方、ゴマの葉は韓国料理で古くから重宝され、保存食や包み菜として文化的にも根付いています。
つまり、シソと大葉は「日本の香味文化」を象徴し、ゴマの葉は「韓国の食文化」を象徴しているといえるでしょう。
まとめ
- シソ=植物名(青じそ・赤じそを含む)
- 大葉=青じその葉の商品名
- ゴマの葉=エゴマの葉。シソとは別種で香ばしい
見た目は似ていますが、味・香り・文化的背景がまったく異なるのがポイントです。
用途や料理に合わせて使い分けることで、食卓の風味をより豊かに楽しめます。
日本の繊細な香りの「大葉」と、韓国の力強い香りの「ゴマの葉」。
どちらも料理を引き立てる名脇役として、上手に活用してみましょう。
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