パティシエとショコラティエの違いを専門分野から解説!
スイーツの世界でよく耳にする「パティシエ」と「ショコラティエ」。
どちらも華やかな印象のある職業ですが、実は専門とする分野が大きく異なります。
この記事では、パティシエとショコラティエの違いを、意味・役割・技術・働く場所などの観点から詳しく解説します。
最後に比較表も用意しましたので、違いを一目で理解できます。
パティシエとは?
「パティシエ(pâtissier)」とは、フランス語で「洋菓子職人」を意味する言葉です。
ケーキやタルト、シュークリーム、プリンなど、砂糖や乳製品・フルーツを使ったスイーツ全般を作る専門職です。
洋菓子店やホテルのデザート部門、カフェの製菓部門などで活躍しています。
・フランス語で「洋菓子職人」
・ケーキ・タルト・ムース・焼き菓子などを担当
・味・見た目・食感を総合的に設計する職人
・生地づくり・クリームの仕込み・デコレーションなど多岐にわたる
・ホテル、洋菓子店、カフェなどで働く
ショコラティエとは?
「ショコラティエ(chocolatier)」とは、フランス語で「チョコレート職人」という意味です。
カカオ豆からチョコレートを作る“ビーントゥバー(Bean to Bar)”の職人や、ボンボンショコラ・トリュフなどの製造を専門とする人を指します。
チョコレートの温度管理やコーティング技術など、繊細で高度なスキルが必要とされる職業です。
・フランス語で「チョコレート職人」
・チョコレート製品に特化した専門職
・カカオの選定・テンパリング・ガナッシュ作りを担当
・湿度や温度管理が重要な繊細な仕事
・ショコラ専門店や高級ブランドで活躍
パティシエとショコラティエの違いを比較表でチェック!
項目 | パティシエ | ショコラティエ |
---|---|---|
語源 | フランス語「pâtissier(洋菓子職人)」 | フランス語「chocolatier(チョコレート職人)」 |
主な専門分野 | 洋菓子全般(ケーキ・焼き菓子・ムースなど) | チョコレート製品(ボンボンショコラ・トリュフなど) |
材料の中心 | 小麦粉・卵・乳製品・果物など | カカオ・カカオバター・砂糖・生クリームなど |
必要な技術 | スポンジ・クリーム・デコレーション技術 | テンパリング・ガナッシュ・コーティング技術 |
働く場所 | 洋菓子店・ホテル・カフェ・製菓工房など | ショコラ専門店・高級ブランド・百貨店など |
学ぶ学校 | 製菓専門学校やパティスリーコース | ショコラティエ専門コースや海外修行など |
代表的な商品 | ショートケーキ・シュークリーム・タルト | トリュフチョコ・ボンボンショコラ・板チョコ |
イメージ | 華やか・多彩なスイーツの芸術家 | 繊細・チョコの魔術師・専門職の匠 |
両者の関係:パティシエからショコラティエへ
実は、ショコラティエの多くはもともとパティシエとして修業していた人が多いのです。
洋菓子づくりの基礎を学んだ上で、チョコレートの奥深さに魅了されて専門の道へ進むケースが一般的です。
つまり、ショコラティエはパティシエの中でもチョコ専門に特化した職人といえます。
技術の違い:温度と繊細さの世界
両者の技術で特に異なるのは、チョコレートの「テンパリング」です。
ショコラティエは、チョコレートの結晶構造をコントロールするために温度を細かく調整します。
この工程を誤るとツヤがなくなり、口どけも悪くなってしまいます。
一方、パティシエは素材の組み合わせと見た目の美しさを重視し、総合的なスイーツ表現力が求められます。
働く場所の違いとお客様との関係
パティシエはカフェやケーキ屋など、日常的にスイーツを楽しむ空間で働くことが多いですが、
ショコラティエは高級ブランドやバレンタイン商戦など、特別なギフト文化に深く関わっています。
どちらも甘い世界を彩る職人ですが、目的やお客様との接点が異なるのです。
まとめ:パティシエはスイーツの総合職、ショコラティエはチョコレートの専門職
まとめると、パティシエはスイーツ全般を扱う洋菓子職人、
ショコラティエはチョコレートを極めた専門職です。
パティシエが幅広いお菓子を創り出す“スイーツの総合芸術家”なら、
ショコラティエはチョコレートの魅力を追求する“カカオのアーティスト”。
どちらも、甘い時間を演出するプロフェッショナルであることに変わりはありません。
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