貯金と預金の違いとは?|銀行とゆうちょで異なるお金の呼び方
「貯金」と「預金」、どちらもお金を貯めることを意味する言葉ですが、実は厳密には違いがあります。
日常会話では「貯金する」「預金する」を同じように使ってしまいがちですが、金融機関の世界では明確な区別が存在します。
今回は、法律的な定義から日常的な使い方まで、「貯金」と「預金」の違いをわかりやすく解説します。
貯金と預金の基本的な違い
まず、二つの言葉の意味と使われる場所の違いを整理してみましょう。
項目 | 貯金(ちょきん) | 預金(よきん) |
---|---|---|
主に使われる金融機関 | ゆうちょ銀行、農協(JA)、漁協など | 銀行、信用金庫、信用組合など |
法律上の位置づけ | 「貯金法」に基づく制度 | 「銀行法」に基づく制度 |
言葉の意味 | 個人が将来のためにお金を蓄えること | お金を銀行などに預けて管理・運用してもらうこと |
対象者 | 個人が中心 | 個人・法人ともに利用可能 |
通帳の表記 | 「総合貯金通帳」などと書かれる | 「普通預金通帳」「定期預金通帳」など |
法律上の違い
「貯金」と「預金」は、それぞれ異なる法律によって定義されています。
銀行が扱うのが「預金」で、郵便貯金や農協などが扱うのが「貯金」です。
- 預金: 銀行法(第2条)に基づき、銀行が顧客からお金を預かること。
- 貯金: 郵便貯金法・農協法などに基づき、特定の機関が個人からお金を預かること。
つまり、「預金」は銀行の専門用語であり、「貯金」はゆうちょ銀行などで使われる制度上の言葉なのです。
ゆうちょ銀行が「貯金」と呼ぶのは、郵政民営化前の「郵便貯金」制度の名残でもあります。
日常会話での使い分け
日常会話では「貯金する」という表現が一般的に使われますが、これは「お金を貯める」という広い意味での使い方です。
一方で、「預金」はどちらかというと専門的・金融的な響きを持っています。
- 将来のためにお金を蓄える → 「貯金する」
- 銀行口座にお金を預ける → 「預金する」
つまり、家庭で「貯金箱に貯める」のも「貯金」ですが、「銀行口座に預ける」のは「預金」というのが本来の使い分けになります。
貯金の特徴
貯金は、ゆうちょ銀行や農協などが扱う個人向けの金融商品です。
主に「普通貯金」「定期貯金」「定額貯金」などの種類があります。
使い勝手のよさや手数料の安さから、主婦や高齢者にも長く親しまれています。
- 郵便局(ゆうちょ銀行)やJAバンクなどで扱う
- 個人利用が中心
- 公共料金の引き落としや年金受取にも対応
- 全国どこでも同じシステムで利用できる
預金の特徴
一方の預金は、民間銀行や信用金庫、信用組合などで扱われる資金の預かりサービスです。
普通預金、定期預金、当座預金などの種類があり、個人だけでなく法人(会社)も利用します。
- 銀行や信金など民間金融機関で扱う
- 個人・法人を問わず利用可能
- 利息や投資運用を目的とすることも多い
- 金融商品や投資信託と連携しやすい
「貯金」と「預金」の使い方の注意点
文章で正確に使い分けたい場合、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 郵便局(ゆうちょ銀行)なら「貯金」
- 銀行や信金なら「預金」
- 一般的な「お金を貯める行為」は「貯金」
たとえば、「郵便局に貯金がある」と言うのは正しいですが、「銀行に貯金がある」は厳密には誤りです。
銀行の場合は「預金がある」と言うのが正確な表現になります。
まとめ:貯金と預金は“使う場所”で使い分ける
「貯金」と「預金」はどちらもお金を預けるという点では同じですが、使われる金融機関と法律上の分類が異なります。
簡単にまとめると次のようになります。
- 貯金: ゆうちょ銀行やJAバンクなどで扱う個人向けの蓄え
- 預金: 銀行や信用金庫などが扱うお金の預かりサービス
また、日常会話では「貯金」はお金を貯める行為全般を指すため、厳密な使い分けは必要ない場面も多いです。
しかし、正式な書類や金融の説明文などでは正しい言葉を選ぶことが信頼につながります。
これを機に、「貯金」と「預金」の違いを意識して使い分けてみてください。
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