伊賀衆・甲賀衆・風魔衆とは？日本三大忍者集団の歴史と特徴

伊賀衆・甲賀衆・風魔衆とは？日本三大忍者集団の歴史と特徴を徹底解説

日本の歴史の中で、最も神秘的な存在といえば「忍者」です。その中でも特に有名なのが、三大忍者集団と呼ばれる「伊賀衆」「甲賀衆」「風魔衆」。彼らは単なる伝説の存在ではなく、実際に戦国の世で暗躍した実在の組織でした。この記事では、それぞれの忍者衆の特徴や歴史、そして彼らの違いを詳しく解説します。

忍者衆とは？

「忍者衆（にんじゃしゅう）」とは、忍術を使い情報収集や諜報活動を行っていた集団を指します。彼らは個人ではなく、特定の地域や家系を中心に形成された共同体であり、各地で独自の技術や掟を持っていました。中でも有名なのが、伊賀（三重県）、甲賀（滋賀県）、そして相模（神奈川県）を拠点とした風魔衆です。

伊賀衆（いがしゅう）は、現在の三重県伊賀市周辺に拠点を置いていた忍者集団です。山々に囲まれた伊賀の地形は外敵の侵入を防ぎ、独自の自治組織「伊賀惣国一揆」を発展させました。伊賀衆は主に戦国大名のために諜報活動を行い、情報戦のスペシャリストとして知られています。

特に有名なのが、徳川家康を救出した「伊賀越えの脱出劇」。本能寺の変で織田信長が倒れた後、家康は敵地の中を逃れる際、伊賀衆の手助けによって無事に脱出できたと言われています。この出来事で、伊賀忍者の名声は一気に広まりました。

甲賀衆（こうがしゅう）は、滋賀県甲賀市を中心に活動していた忍者集団で、伊賀衆と並び称される存在です。甲賀は古くから薬の製造で知られており、医術・薬学の知識を活かした「薬忍（くすりにん）」としての側面も持っていました。

甲賀衆の最大の特徴は、家同士の強固な絆と自治力です。彼らは「甲賀五十三家」と呼ばれる有力な忍者家系で構成され、合議制によって集団を統治していました。そのため、伊賀のような一揆型の組織とは異なり、秩序だった行動が得意でした。

風魔衆（ふうましゅう）は、相模国（現在の神奈川県）を拠点に活動していた忍者集団で、北条氏に仕えていました。彼らは「風魔小太郎」の率いる集団として知られ、荒々しい戦闘スタイルと奇襲戦術で恐れられました。

風魔衆は、伊賀や甲賀とは異なり、盗賊や海賊出身の者も多く、より戦闘的で野性的な一団でした。敵陣を夜襲し、火攻めや混乱を引き起こす戦法を得意とし、その活動はまさに「闇の軍団」と呼ぶにふさわしいものでした。