カレーにじゃがいもが入るのは日本だけ?食文化の違いを徹底解説!
日本の家庭で作るカレーといえば、じゃがいも・にんじん・玉ねぎ・牛肉(または豚肉)が定番ですよね。ところが、海外のカレーには「じゃがいも」が入っていないことが多いのをご存じでしょうか?
実は、カレーにじゃがいもを入れる習慣はほぼ日本だけなのです。今回はその理由や歴史、海外との違いを詳しく見ていきましょう🍛
日本のカレーにじゃがいもが入る理由
① 明治時代の「ご飯に合うカレー」から進化した
日本にカレーが伝わったのは明治初期。もともとはイギリス経由の「欧風カレー」で、スープ状のものでした。そこに日本人が白ごはんに合うようにアレンジを加えたのが「カレーライス」の始まりです。
そのときにカレーをとろみのあるルウで煮込むようになり、具材を増やして“ご飯のおかず”として成立させる必要がありました。そこで使われたのが、安価で腹持ちが良く、煮崩れしにくいじゃがいもです。
② 戦後の家庭料理として普及した
戦後、日本ではカレー粉やルウが家庭に普及し、「簡単でおいしい家庭料理」として人気が定着しました。その中で、カレーの具材としてじゃがいもが“定番化”していきます。
昭和の給食メニューにも多く登場し、子どもたちにとって「カレー=じゃがいも入り」というイメージが定着しました。
③ じゃがいもがカレーの味をまろやかにする
じゃがいもにはデンプン質が多く、煮込むことでカレーの辛さをやわらげ、全体をまろやかにする効果があります。日本人の「辛すぎない、優しいカレー」が好まれる味覚とも相性抜群でした。
海外のカレーにはじゃがいもが入らない?
① 本場インドでは“野菜よりスパイス”が主役
インドのカレー(=カレーとは呼ばないことも多い)は、野菜や肉よりもスパイスの調合が主役。じゃがいもを使うこともありますが、メインではなくあくまで“副菜(サブジ)”の一部です。
特に北インドでは「アル・ゴビ(じゃがいもとカリフラワーのカレー)」のような家庭料理もありますが、日本のように“ルウカレーに入れる”文化ではありません。
② タイカレーやスリランカカレーではココナッツミルクが中心
タイやスリランカでは、ココナッツミルクや魚介を使ったスープ状のカレーが一般的。ここでもじゃがいもはほとんど登場しません。代わりにナス・オクラ・タケノコ・パプリカなどの南国野菜が使われます。
③ 欧風カレーは「煮込み料理」に近い
日本のカレーの原型となったイギリスの“カリー”も、じゃがいもは入れず、肉とスープの煮込みに近いものでした。したがって、日本で定着した「じゃがいもカレー」は完全に日本独自の進化形なのです。
じゃがいも入りカレーが日本で愛される理由
- 値段が安く、手に入りやすい
- 子どもでも食べやすく、甘口にも合う
- 見た目が「具だくさん」で満足感がある
- 家族全員の食卓に向いている
つまり、「家庭料理」としての機能性が高かったのです。カレーライスが“国民食”と呼ばれるようになった背景には、じゃがいもが欠かせない存在でした。
まとめ:カレーにじゃがいもが入るのは日本の食文化の証
| 地域 | カレーの特徴 | じゃがいもの使用 |
|---|---|---|
| 日本 | とろみのあるルウカレー | ◎ よく使われる(定番) |
| インド | スパイス重視の多様なカレー | △ 一部の家庭料理のみ |
| タイ・スリランカ | ココナッツミルクベース | × ほぼ使われない |
| イギリス | スープに近い欧風カレー | × 使用例は少ない |
日本のカレーにじゃがいもが入るのは、「ご飯に合うように進化した」「家庭料理として広まった」「味をまろやかにする」という3つの理由が重なった結果でした。
世界的に見ると珍しい“じゃがいも入りカレー”ですが、それこそが日本人の食文化の象徴。今日もどこかの家庭で、ほくほくのじゃがいもがカレーに溶け込んでいることでしょう🍛


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