片栗粉とコーンスターチの違いとは?使い分け・原料・特徴を徹底解説
とろみづけや揚げ物、お菓子作りなどでよく使われる「片栗粉」と「コーンスターチ」。
どちらも“でんぷん”を使った粉ですが、同じようで実はまったくの別物です。
レシピによって仕上がりが大きく変わるため、違いを理解しておくことはとても大切です。
この記事では、片栗粉とコーンスターチの違いを初心者にもわかりやすく解説します。
片栗粉とコーンスターチの基本的な違い
まずは、見た目や使い方などを比較表で整理してみましょう。
| 項目 | 片栗粉 | コーンスターチ |
|---|---|---|
| 原料 | じゃがいも(馬鈴薯) | とうもろこし(コーン) |
| 主成分 | でんぷん(ジャガイモ由来) | でんぷん(トウモロコシ由来) |
| とろみの特徴 | 透明で強いとろみがつく | やや白濁し、なめらかで軽いとろみ |
| 加熱時間 | 短時間でとろみが出る | やや長めに加熱が必要 |
| 向いている料理 | あんかけ、炒め物、唐揚げの衣など | プリン、カスタード、スープなど |
| 仕上がりの質感 | もっちり、ツルツル | なめらかで軽い |
片栗粉とは?ジャガイモから作られるでんぷん粉
片栗粉は、その名の通りもともとは「カタクリ」という植物の根から作られていました。
しかし、現在ではジャガイモ(馬鈴薯)から作られたでんぷんが主流です。
原料が変わっても、名称として「片栗粉」という呼び名がそのまま残りました。
片栗粉は加熱すると透明感のある強いとろみを生み出します。
料理では「中華あんかけ」や「八宝菜」「麻婆豆腐」などによく使われ、具材を美しく包み込みます。
また、唐揚げの衣に使うと、表面がカリッと、中がジューシーに仕上がります。
コーンスターチとは?とうもろこし由来のなめらか粉
一方のコーンスターチは、名前の通りとうもろこし(コーン)から抽出したでんぷんです。
海外では家庭料理やお菓子作りでよく使われ、日本でもプリンやカスタードクリームなどに欠かせません。
片栗粉に比べるととろみがやや軽く、白っぽく仕上がるのが特徴です。
また、冷めても分離しにくいため、冷たいデザートや洋風ソースにも向いています。
そのため、「お菓子作りに使うでんぷん」として、コーンスターチが選ばれることが多いのです。
原料の違いが性質を変える
片栗粉とコーンスターチの違いを生む最大の要因は、原料の違いです。
同じでんぷんでも、原料となる植物が異なることで、粒子の大きさや吸水性、加熱時の反応が変わります。
- ジャガイモでんぷん(片栗粉) → 粒子が大きく、水分を吸いやすい。とろみが強い。
- トウモロコシでんぷん(コーンスターチ) → 粒子が細かく、なめらかで軽い仕上がり。
そのため、片栗粉は短時間でとろみが出て冷めると固まりやすいのに対し、
コーンスターチはゆっくりととろみがつき、冷めても安定しています。
料理での使い分け方
では、実際にどのように使い分ければよいのでしょうか?
- 片栗粉:中華料理・和食・揚げ物の衣に最適
- コーンスターチ:洋菓子・ソース・カスタードに最適
たとえば、麻婆豆腐や八宝菜などのあんかけ料理には片栗粉が向いています。
透明感のある強いとろみが具材を美しく包み込み、見た目にも美味しく仕上がります。
一方で、プリンやカスタードなどのなめらかさが命のスイーツでは、
コーンスターチを使うことで口当たりが優しく、ツルッとした仕上がりになります。
冷めたときの違いにも注意
片栗粉は、加熱してとろみをつけたあと冷えると固まりやすい性質があります。
そのため、冷製スープや冷やしデザートには向きません。
一方、コーンスターチは冷めてもとろみが維持されやすいため、冷たい料理に適しています。
この性質を知らずに使うと、「プリンが固くなりすぎた」「ソースが分離した」といった失敗につながることも。
使う前に原料の違いと特性を知っておくことが大切です。
保存方法と注意点
どちらの粉も湿気に弱いため、開封後は密閉容器に入れて冷暗所で保存しましょう。
特に梅雨や夏場は湿気でダマになりやすいので、ジップ袋などでしっかり密封するのがおすすめです。
また、片栗粉もコーンスターチも加熱しすぎるととろみが崩れるという共通点があります。
長時間煮込み料理に使う場合は、最後にとろみをつけるのがコツです。
まとめ:同じでんぷんでも使い方が違う!
最後に、片栗粉とコーンスターチの違いをまとめましょう。
- 原料:片栗粉=ジャガイモ、コーンスターチ=とうもろこし
- とろみ:片栗粉は強く透明、コーンスターチは軽く白っぽい
- 用途:片栗粉=あんかけ・揚げ物、コーンスターチ=お菓子・ソース
- 冷めたとき:片栗粉は固まりやすい、コーンスターチはなめらか
同じ「でんぷん粉」でも、使い方を間違えると仕上がりがまったく変わります。
料理やお菓子に合わせて、適した粉を選ぶことが美味しさの秘訣です。
今度とろみをつけるとき、ぜひ「片栗粉」と「コーンスターチ」を意識して使い分けてみてください。
きっと、プロのような仕上がりに近づけますよ。


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