休日労働と時間外労働の違い|労働法の基本を丁寧解説





休日労働と時間外労働の違い|労働法の基本を丁寧解説



休日労働と時間外労働の違いをわかりやすく解説

社会人やアルバイトをしていると「休日労働」「時間外労働」という言葉を聞く機会があります。どちらも“所定の労働時間を超えて働くこと”に関わりますが、意味や扱いが法律上で違うことをご存じでしょうか?

本記事では労働基準法の観点から、休日労働と時間外労働の違いをポイントごとに整理し、比較表や具体例を交えてわかりやすく解説します。

なお、労働時間全般については、こちらの内部リンクも参考にしてください:残業・休日労働に関する基礎知識

まずは基本用語を確認

労働時間とは

労働基準法では、会社が労働者に働くよう指示できる時間を「労働時間」と定義しています。一般的には1日8時間・週40時間が基準となります(業種や労使協定で変わることがあります)。

所定労働時間とは

会社が就業規則や雇用契約で定めた勤務時間帯(例:9時〜17時)のことです。法定労働時間と区別されます。

法定労働時間とは

法律で定められた最大の労働時間。原則として1日8時間・週40時間です。この上限を超える働き方に対しては、割増賃金の支払い義務が発生します。

休日労働と時間外労働の定義

休日労働とは

会社が労働者に対して“あらかじめ休日として定めた日”に働かせることです。週間の所定休日や法定休日(土日など)に仕事をする場合を指します。

時間外労働とは

1日8時間・週40時間(法定労働時間)を超えて働くことです。休日ではなく通常の労働日で時間が延びるケースなどが該当します。

休日労働と時間外労働の違いまとめ(比較表)

項目 休日労働 時間外労働
定義 休日に働くこと 法定労働時間を超えて働くこと
対象となる日/時間 休日(会社が定めた非労働日) 通常の労働日での時間超過
割増賃金率(原則) 休日労働:35%以上 時間外労働:25%以上
割増賃金の要件 休日指定が必要 時間外時間の発生
管理の基準 労働日カレンダーでの休日の設定 労働時間集計

割増賃金について詳しく知ろう

休日労働も時間外労働も、労働基準法により割増賃金の支払いが義務付けられています。ただし割増率は異なります。

  • 時間外労働 → 25%以上
  • 休日労働 → 35%以上

また、時間外労働については36協定(労使協定)を締結して労働基準監督署に届け出る必要があります。これがないと原則として時間外労働は認められません。

よくあるケースで違いをチェック

ケース1:土曜日に出勤した

会社の休日カレンダーで土曜日が休日に設定されている場合、そこに出勤したら休日労働です。

ケース2:平日17時以降も働いた

9〜17時が所定労働時間の場合、17時以降の労働は時間外労働となります。割増賃金の対象です。

ケース3:代休との違い

休日労働をした場合、会社は代休を与えることもできます。これは実働時間の調整であり、休暇を付与する措置です。

休日労働と時間外労働の注意点

割増賃金の重複

休日労働と時間外労働が重なる場合、その時間は割増率が高いほうが適用されます。具体的には休日労働の割増率(35%以上)が適用されることが多いです。

36協定の締結

時間外労働は原則として36協定が必要です。これがないと企業は時間外労働を命じることができません。

労働者の同意

休日労働や時間外労働を命じる場合、労働者の同意や労使協定の締結が重要です。トラブルを避けるため就業規則で明確にしておきましょう。

まとめ:違いをしっかり押さえよう

「休日労働」と「時間外労働」は、一見どちらも“所定の時間を超えて働くこと”に見えますが、法律上は区別されています。割増賃金の割合や適用条件も違うため、働く側・雇う側の双方で正しい理解が不可欠です。

ポイントの復習:

  • 休日労働 → 休日に働くこと(割増35%以上)
  • 時間外労働 → 法定労働時間を超える働き方(割増25%以上)
  • 36協定が必要なケースがある

労働時間の基礎知識を押さえて、より良い働き方・職場環境づくりに役立てましょう。


コメント