深夜手当とは?割増率・計算方法と注意点をわかりやすく解説





深夜手当とは?割増率・計算方法と注意点をわかりやすく解説



深夜手当とは?意味・対象・計算方法をわかりやすく解説

「深夜手当って聞いたことはあるけど、実際どういうもの?」
「夜勤がある仕事だから、ちゃんと理解したい」
そんな方のために、本記事では 深夜手当の定義・対象時間・割増率・計算方法・支給されないケース までを丁寧に解説します。

この記事は、基本的な労働知識の解説記事として書いています。
深夜労働の割増について詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もご覧ください → 残業代とは?定義と割増計算まとめ

1. 深夜手当とは?基礎知識

深夜手当(深夜割増賃金)とは、労働基準法に基づき、夜10時〜朝5時までの勤務に対して支払われる割増賃金のことです。この時間帯の労働には、通常の賃金に上乗せした支払いが義務付けられています。

労働基準法では、深夜労働に対して25%以上の割増賃金を支払わなければならない

深夜手当の語源と背景

「深夜」という言葉からわかるように、夜間の労働は身体的・心理的負担が大きいため、法で手当が義務付けられています。深夜の勤務は生活リズムの乱れや健康リスクがあるため、その対価として通常の賃金より手厚い支払いが必要とされています。

2. 対象となる時間帯・条件

深夜手当の対象となる時間は、一般的に以下の通りです。

対象時間 午後10時(22:00)〜翌朝5時(05:00)
割増率 基礎賃金の25%以上
適用条件 上記時間帯に実際に働いた場合

具体例:

  • 夜9時〜午前2時まで働いた → 午後10時以降の3時間分が深夜手当対象
  • 午後10時〜翌朝6時まで → 午後10時〜翌朝5時までが対象

注意:通し勤務の場合

夜勤・通し勤務で午後10時以降にまたがる場合、該当する時間帯ごとに 通常賃金・残業代・深夜手当

3. 割増率と法律の規定

深夜手当の割増率は最低25%以上と法律で定められています。つまり、1時間あたりの賃金が1,000円の場合、

1,000円 × 1.25 = 1,250円

が深夜手当の最低額です。

深夜と残業・休日手当の関係

深夜割増は、残業代や休日手当と 組み合わせて支給される ことがあります。たとえば、残業が深夜時間帯にまたがれば、

  • 残業割増(25%〜)
  • 深夜割増(25%〜)

の両方が適用されるケースがあります(=割増率の合算)。

4. 深夜手当の計算方法(基本例)

深夜手当の計算は、基本給に割増率を乗じて行いますが、実際は以下のステップで考えるのがわかりやすいです。

ステップ①:基礎賃金を把握する

時給制の場合 → そのまま時給を使用します。
月給制の場合 → 月給を基礎に所定労働時間で割って時給換算します。

ステップ②:対象時間を確認する

午後10時〜翌朝5時までの該当時間だけを抽出します。

ステップ③:割増賃金を計算

対象時間 × 時給 × 0.25(割増率)

計算例①:時給制の場合

時給:1,200円
深夜労働:午後10時〜午前2時(4時間)

1,200 × 1.25 = 1,500円(深夜手当含む時給)

1,500 × 4時間 = 6,000円

計算例②:月給制の場合

月給:240,000円
所定労働時間:160時間

時給換算 → 240,000 ÷ 160 = 1,500円

1,500 × 1.25 = 1,875円(深夜時間帯の1時間分)

仮に午後10時〜翌朝5時までの7時間を勤務 → 1,875 × 7 = 13,125円

5. よくある誤解と正しい理解

深夜手当に関しては、以下のような誤解がよくあります。

誤解① 深夜手当は会社が決めるもの?

→ 違います。深夜手当の支給義務は法的ルールです。会社が独自判断で支給しないと決めても、労働基準法を遵守する必要があります。

誤解② 午後10時〜朝5時の全てが対象?

→ 対象時間帯に勤務した分だけが対象です。他の時間帯は通常賃金や残業賃金になります。

誤解③ 深夜手当は会社ごとに額が違う?

→ 法律では 最低25%以上 と定められています。会社ごとに手厚く設定される場合はありますが、25%未満は違法です。

6. 深夜手当が支給されないケース

以下のケースでは、深夜手当が支給されない、または支給対象が異なる可能性があります。

  • 午後10時〜午前5時の労働がない
  • 管理監督者としての裁量労働制の場合(※条件あり)
  • 変形労働時間制で深夜時間帯が所定労働時間に含まれる場合の計算方法が異なる

※詳細は就業規則や労働契約書を確認し、必要なら専門家に相談しましょう。

7. 深夜手当と割増賃金の違い比較

項目 深夜手当 残業代 休日手当
法的根拠 労働基準法第37条 労働基準法第37条 労働基準法第37条
対象時間 22:00〜5:00 所定労働時間超過 法定休日(会社規定)
割増率 25%以上 25%以上(法定外労働) 35%以上

8. まとめ:深夜手当の重要ポイント

  • 深夜手当=深夜割増賃金である
  • 対象は午後10時〜翌朝5時の労働
  • 割増率は最低25%(法定割増)
  • 残業・休日手当と重複適用の可能性あり
  • 深夜手当が支給されない特殊条件が存在する

夜勤やシフト勤務がある方は、自分の給与計算に深夜手当が正しく反映されているか、一度確認してみましょう。

また、深夜労働や残業の考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています → 残業代とは?定義と割増計算まとめ


コメント