傷病手当金とは？支給条件と金額を分かりやすく解説

傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなった場合に、生活を保障するために健康保険から支給される給付金です。
会社員や公務員など、健康保険の被保険者が対象となり、一定の条件を満たせば受け取ることができます。

傷病手当金の目的

傷病手当金は、労働者が業務外の病気やケガで仕事を休まざるを得なくなった際に、収入の減少を補うことを目的としています。
休職中や長期療養中でも、最低限の生活を維持できるよう設けられた制度です。

傷病手当金の支給条件

傷病手当金を受給するためには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

• 業務外の病気やケガであること
• 仕事に就くことができない状態であること
• 連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること
• 休業期間中に給与の支払いがない、または少ないこと

なお、業務中や通勤中のケガや病気については、傷病手当金ではなく労災保険の対象となります。

支給される金額の計算方法

傷病手当金の支給額は、原則として以下の計算式で算出されます。

1日あたりの支給額 ＝ 標準報酬日額 × 3分の2

標準報酬日額は、支給開始日以前の継続した12か月間の平均報酬を基に算出されます。
そのため、収入の約3分の2が補償される仕組みとなっています。

支給期間はどれくらい？

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から最長1年6か月です。
途中で復職した期間があっても、通算して1年6か月まで支給されます。

失業給付との違い

傷病手当金と失業給付（基本手当）は、目的や支給条件が異なります。

項目	傷病手当金	失業給付
制度	健康保険	雇用保険
働ける状態	働けない	働けるが仕事がない
支給期間	最長1年6か月	所定給付日数

失業給付について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

失業給付（基本手当）とは？受給条件を分かりやすく解説

退職後でも受け取れる？

一定の条件を満たしていれば、退職後も傷病手当金を受け取れる場合があります。
ただし、退職日までに支給要件を満たしている必要があり、すべてのケースで受給できるわけではありません。

まとめ

傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった際に生活を支える重要な制度です。
支給条件や金額、失業給付との違いを正しく理解しておくことで、万が一の際にも落ち着いて対応することができます。