【流氷と氷山の違い】成り立ち・特徴・場所を徹底比較!
冬のニュースなどで耳にする「流氷」と「氷山」。どちらも海に浮かぶ氷の塊ですが、実はその正体はまったく異なります。
この記事では、流氷と氷山の違いを、成り立ち・発生場所・大きさ・構成物質など、さまざまな角度から詳しく比較していきます。
◆ 流氷とは?
流氷とは、**海水が凍ってできた氷**のことです。主に北半球ではオホーツク海、南半球では南極周辺の海で見られます。
海水中の塩分を含んでおり、凍るときに「塩分の濃度差」によって複雑な構造になります。
日本では北海道の**網走(あばしり)**や**知床(しれとこ)**などで見られる冬の風物詩として有名です。
毎年1月下旬から3月ごろにかけて、シベリアのアムール川付近で凍った氷が流れ着き、美しい白い海原を作ります。
流氷の特徴
- 海水が凍ってできる
- 塩分を含んでいる
- 比較的薄く、広い範囲に広がる
- 風や潮流で動く
◆ 氷山とは?
氷山は、**陸上の氷河や氷床が海に崩れ落ちてできた氷の塊**です。
もともと淡水(真水)でできており、流氷とは異なり**氷河の一部**が海に浮かんでいる状態です。
南極やグリーンランドでよく見られ、巨大なものでは数百メートル以上の高さを持ち、海面下にその90%が隠れています。
「タイタニック号」が衝突したのも、この氷山です。
氷山の特徴
- 氷河や氷床が海に崩れ落ちてできる
- 真水(淡水)でできている
- 非常に大きく、重厚な塊
- 海面下にも大部分が沈んでいる
◆ 流氷と氷山の違いを比較表でチェック!
項目 | 流氷 | 氷山 |
---|---|---|
成り立ち | 海水が凍ってできる | 氷河・氷床が崩れてできる |
主な成分 | 海水(塩分を含む) | 真水(淡水) |
見られる場所 | オホーツク海、ベーリング海など | 南極、グリーンランド周辺 |
大きさ | 数メートル〜数百メートル程度 | 数百メートル〜数キロメートル |
色や見た目 | 白く濁った氷 | 青みを帯びた透明感のある氷 |
浮いている割合 | ほぼ全体が海面に浮かぶ | 約9割が海中に沈んでいる |
危険性 | 航行の妨げになる程度 | 大型船舶に衝突すると非常に危険 |
◆ どうして混同されやすいの?
どちらも海の上に浮かぶ「氷」であり、見た目も似ているため混同されがちです。
しかし、根本的な違いは**「海水が凍ったものか、陸の氷が崩れたものか」**という点です。
たとえば、オホーツク海で見られる流氷は海水由来ですが、南極海を漂う巨大な氷山は陸上の氷河由来。
つまり、発生場所も構造もまったく異なります。
◆ 豆知識:氷の「色」で見分ける方法
流氷は空気を多く含むため、白く見えます。
一方、氷山は圧縮された氷のため、空気の隙間が少なく、**青く透き通った色**をしています。
写真で見ると一目瞭然ですが、実際の海でもこの色の違いで見分けることが可能です。
◆ まとめ:流氷と氷山の違い
- 流氷は海水が凍ったもので、主に冬のオホーツク海に現れる。
- 氷山は陸上の氷河が海に崩れたもので、南極やグリーンランドで多く見られる。
- 流氷は塩水、氷山は淡水でできている。
- 見た目や危険度も大きく異なる。
このように、同じ「海に浮かぶ氷」でも、その正体はまるで別物。
自然の不思議を理解することで、ニュースや映像で見る氷の世界が、より深く楽しめるようになります。
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