雪・みぞれ・雹(ひょう)の違いとは?気温と気象条件で徹底比較!
冬になると空から降る「白いもの」。
「雪」なのか「みぞれ」なのか、あるいは「雹(ひょう)」なのか、天気予報で聞いても違いが分かりにくいですよね。
実はこれらはすべて水が凍る温度や雲の高さ・気温によって変わる自然現象です。
この記事では、雪・みぞれ・雹の違いを気象学的な観点からわかりやすく解説します。
雪・みぞれ・雹の基本的な違い
3つの現象はすべて「大気中の水分が冷えて固まる」ことによって起こります。
しかし、どの高さで凍るか・溶けるかによって種類が変わるのです。
項目 | 雪(ゆき) | みぞれ | 雹(ひょう) |
---|---|---|---|
発生温度 | 気温0℃以下 | 地上付近が0〜2℃程度 | 積乱雲の中(氷点下) |
状態 | 氷の結晶 | 雪と雨の混ざったもの | 氷の粒(完全に固体) |
降る時期 | 主に冬(12〜2月) | 冬や春先 | 春〜夏(雷雨の時期) |
形状 | 六角形の結晶 | 半分溶けた雪片や雨滴 | 丸い氷の玉(5mm以上) |
降る雲の種類 | 層雲・乱層雲 | 乱層雲 | 積乱雲(入道雲) |
特徴 | ふわふわで白く積もる | 地面で水っぽくなる | 激しく降り、物を壊すことも |
雪とは?氷の結晶が地上に届く現象
雪は、雲の中で水蒸気が直接氷の結晶になることで生まれます。
気温が0℃以下であれば、そのまま溶けずに地上に到達し、ふわふわと積もります。
雪の形は六角形の結晶構造をしており、温度や湿度によって「粉雪」「ぼたん雪」など形状が変化します。
みぞれとは?雪と雨の中間的な存在
みぞれは、雪が途中で少し溶けてから地上に落ちる現象です。
つまり、上空では雪が降っているのに、地表近くで気温が0〜2℃程度とやや高くなるため、雪が一部溶けて雨と混ざるのです。
地面に落ちるとすぐに水になりやすく、積もりません。
気象庁では「雪と雨が同時に降る状態」として「みぞれ」と定義しています。
雪が完全に溶けずに一部残ると「みぞれ」。
地上に届くまでにすべて溶けると「雨」になります。
雹(ひょう)とは?雷雲の中でできる氷の弾
雹(ひょう)は、夏の積乱雲の中で発生する氷の粒です。
雲の中で上昇気流によって氷の粒が何度も上昇・下降を繰り返すうちに、層を重ねて成長します。
そのため、雹の断面を切ると年輪のような層構造が見られることがあります。
粒の大きさが5mm以上になると「雹(ひょう)」、5mm未満なら「霰(あられ)」と呼ばれます。
気象的な発生条件の違い
雪とみぞれは冬の寒気によって生じますが、雹は夏の積乱雲が原因です。
つまり、雹は「夏の氷の雨」であり、冬の雪とは全く別のメカニズムで生まれます。
また、雹は落下時に強い衝撃を与えるため、車や屋根に被害をもたらすこともあります。
まとめ:気温と雲の違いで生まれる三つの氷の姿
雪は「凍った水蒸気」、みぞれは「雪と雨の中間」、雹は「雷雲でできる氷の玉」。
どれも自然が生み出す美しくも不思議な現象です。
種類 | 主な特徴 | 発生時期 | 雲の種類 |
---|---|---|---|
雪 | 氷の結晶、白く積もる | 冬 | 層雲・乱層雲 |
みぞれ | 雪と雨が混ざる | 冬〜春 | 乱層雲 |
雹 | 氷の玉、激しく降る | 春〜夏 | 積乱雲 |
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