電柱と電信柱の違いをわかりやすく解説。用途・設置目的・所有者・使われ方の違いを比較表でまとめました。








電柱と電信柱の違いとは?電力と通信の役割を徹底解説

電柱と電信柱の違いとは?電力と通信の役割を徹底解説

街中を歩くと、道路脇にずらりと並ぶ「柱」が目に入ります。
一般的には「電柱」と呼ばれていますが、昔から「電信柱(でんしんばしら)」という言葉もあります。
では、この二つの呼び方にはどのような違いがあるのでしょうか?
本記事では、電柱と電信柱の歴史・用途・役割・所有者の違いを分かりやすく解説します。

電柱とは?

「電柱(でんちゅう)」とは、電力を送るための電線を支える柱のことです。
電力会社(東京電力・関西電力など)が所有しており、
発電所や変電所から送られる電気を家庭や企業に届けるために設置されています。
一般に、私たちの家に電気を送る「電線」が通っている柱はこの電柱です。

電柱には変圧器(トランス)が取り付けられていることが多く、
高圧で送られてきた電気を家庭用の100V・200Vに変換する役割も担っています。

  • 主な役割:電力の送電・配電
  • 所有者:電力会社(例:東京電力、中部電力など)
  • 設置場所:道路沿い、住宅地、工場地帯など
  • 設備例:電線、変圧器、電力量計、碍子(がいし)など

電信柱とは?

「電信柱(でんしんばしら)」とは、通信回線を支えるための柱のことです。
電話線やインターネット通信(光ファイバー)など、通信網を支えるために使われています。
明治時代、電信(=文字を電気信号で送る通信)のために設置されたことから、
「電信柱」という名前が生まれました。

現在では、主に通信事業者(NTTグループなど)が所有しています。
昔ながらの電話線だけでなく、光ケーブルやインターネット回線もこの電信柱を経由して家庭に届きます。

  • 主な役割:通信・電話・インターネット回線の伝送
  • 所有者:通信会社(NTT東日本、NTT西日本など)
  • 設置場所:電柱と共用されることが多い
  • 設備例:電話線、光ファイバー、保安器など

電柱と電信柱の比較表

項目 電柱 電信柱
用途 電力(電気)を送るための柱 通信(電話・インターネット)を支える柱
所有者 電力会社(例:東京電力、関西電力など) 通信会社(例:NTT東日本、NTT西日本など)
設置目的 電力供給(送電・配電) 通信回線の伝送(電話・光回線など)
設置場所 道路沿い・住宅街・商業地など 電柱と共用または単独設置
設置機器 変圧器・碍子・電線 光ファイバー・電話線・分岐器
外観 太くて頑丈(電圧に耐える) やや細い(通信機器が中心)
電線の位置 上部に設置(高圧線) 下部に設置(通信線)
主な素材 コンクリート柱・鉄柱 コンクリート柱・木柱
呼称の使用頻度 現在も一般的に使われる やや古風・正式には通信柱

電柱と電信柱の共用関係

実は現在、多くの電柱は「電力」と「通信」の共用になっています。
一本の柱に電線と電話線が並んで設置されているのを見たことがあるでしょう。
上部には電力線、下部には通信線が取り付けられており、
所有者が異なっても共同で使用される仕組みが整っています。

この共用により、街の景観や設置コストが抑えられ、
限られた空間で電力と通信を効率的に提供できるようになっています。

「電信柱」という言葉の由来と現在

「電信柱」という言葉は、明治時代の通信インフラに由来します。
当時は電気通信(=電信)が最先端技術であり、
モールス信号を送るための柱が「電信柱」と呼ばれました。
その後、電話や電力の普及とともに「電柱」という言葉が一般化し、
現在では「電信柱」という表現はほとんど使われなくなっています。

ただし、文学作品や古い歌詞などでは今でも「電信柱」が使われることがあります。
「電信柱の影が伸びる」など、どこか懐かしい響きを持つ言葉として残っています。

まとめ:電柱と電信柱の違い

「電柱」と「電信柱」は、どちらも街中に立つインフラの柱ですが、
本来の用途と所有者が異なります。

  • 電柱:電力を運ぶための柱(電力会社所有)
  • 電信柱:通信を運ぶための柱(通信会社所有)

現在では多くの柱が共用されており、見た目では区別しにくいこともあります。
それでも、「電柱」と「電信柱」という言葉には、
日本の電気と通信の発展を支えてきた歴史が刻まれています。
街の中の一本一本の柱にも、そんな深い意味が隠れているのです。


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