らっきょうとエシャロットの違いとは?見た目そっくりな2つを徹底比較!
スーパーで「エシャロット」と書かれた細長い白い野菜を見たことはありませんか?
実はそれ、本当のエシャロットではないかもしれません。
日本では「らっきょう」を“エシャロット”と呼んで販売していることが多く、
混同されやすい野菜の代表格なんです。
この記事では、「らっきょう」と「エシャロット」の違いを、原産・味・使い方などから詳しく解説します。
◆ らっきょうとは?
「らっきょう(辣韮)」は、ヒガンバナ科ネギ属の野菜で、東アジア原産とされています。
日本では奈良時代にはすでに食用とされ、今でも人気のある伝統的な香味野菜です。
細長い白い形をしており、シャキシャキとした食感と独特の辛みが特徴。
らっきょう漬け(甘酢漬け)として食べるのが一般的です。
カレーライスのお供としても定番ですね。
らっきょうの特徴
- 独特の辛みとシャキッとした歯ごたえ
- 漬物(甘酢漬け・塩漬け)に最適
- ネギ属の植物で、ニンニクのような香りも
- 整腸作用や疲労回復に効果があるとされる
また、らっきょうには硫化アリルという成分が含まれており、血液をサラサラにする働きがあるといわれています。
◆ エシャロットとは?
「エシャロット(shallot)」は、ヨーロッパ原産のタマネギの仲間です。
見た目は小さな玉ねぎのようで、褐色または赤紫色の薄皮に包まれています。
香りは玉ねぎよりも穏やかで、甘みと深みがあり、フランス料理やイタリア料理で定番の香味野菜です。
生で食べることは少なく、ソースやドレッシング、肉料理の風味付けなどに使われます。
エシャロットの特徴
- 玉ねぎよりも香りが上品で繊細
- フレンチやイタリアンのソースに使われる
- 火を通すと甘みが増す
- 見た目は小ぶりの玉ねぎに似ている
海外では「shallot」と言えばこのヨーロッパ系のタマネギ属植物を指し、
日本の“エシャロット”とは全く別物です。
◆ 日本で「らっきょう」が“エシャロット”と呼ばれる理由
日本で“エシャロット”と表示されているものの多くは、実際には「らっきょう」を若取りしたものです。
つまり、完全に成長する前のらっきょう(軟白らっきょう)を「エシャロット」として販売しているのです。
この名前の混乱は、昭和の頃に市場で「らっきょう」という名前の印象が悪く、
「エシャロット」という洋風な名前で売り出したことが始まりとされています。
現在ではそれが定着し、日本では「若いらっきょう=エシャロット」という認識になっています。
◆ らっきょうとエシャロットの違いを比較表でチェック!
| 項目 | らっきょう | エシャロット(海外の本物) |
|---|---|---|
| 分類 | ヒガンバナ科 ネギ属 | ヒガンバナ科 ネギ属(タマネギの近縁) |
| 原産地 | 東アジア(中国など) | ヨーロッパ(フランスなど) |
| 見た目 | 細長く白い | 小さく丸く、薄茶〜紫の皮 |
| 主な用途 | 漬物、薬味、カレーの付け合わせ | 洋食のソース、ドレッシング、肉料理 |
| 味・香り | 強い辛みと香り、シャキシャキ食感 | 玉ねぎよりまろやかで上品な香り |
| 日本での呼び名 | らっきょう | エシャロット(本来の意味) |
| 日本で「エシャロット」と呼ばれるもの | 若採りのらっきょう(軟白らっきょう) | ― |
◆ 味や使い方の違い
らっきょうはシャキッとした歯ごたえと独特の辛みが魅力で、漬物や薬味に向いています。
一方、エシャロットは香りがやわらかく、加熱で甘みが出るため、ソースや煮込み料理に最適。
たとえば、フランス料理の「赤ワインソース」や「ヴィネグレットソース」には欠かせない存在です。
日本の家庭では、若採りらっきょう(エシャロット名義)を味噌やマヨネーズで生食するのが人気です。
◆ 栄養と健康効果の違い
どちらもネギ属の植物のため、硫化アリルという成分を含み、血液サラサラ効果や疲労回復が期待できます。
らっきょうは特に整腸作用が強く、食物繊維が豊富。
一方、エシャロットはポリフェノールやフラボノイドが含まれ、抗酸化作用があるとされています。
◆ まとめ:日本の「エシャロット」は実はらっきょう!
最後に、2つの違いを簡単にまとめましょう。
- らっきょう:東アジア原産。辛みと歯ごたえが特徴。漬物・薬味向き。
- エシャロット:ヨーロッパ原産の小玉ねぎ。香りが繊細でソース向き。
- 日本の“エシャロット”=若採りらっきょうで、本来のエシャロットとは別物。
- 料理用途も全く異なり、和食ではらっきょう、洋食ではエシャロットが主流。
つまり、スーパーで「エシャロット」として売られている白く細い野菜は、実際はらっきょう。
本場のエシャロットは、茶色い小玉ねぎのような姿をしています。
名前は似ていますが、味も使い方もまったく違う2つの食材。
それぞれの特徴を知って、料理にぴったりな方を選びましょう。


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