マアジ・シマアジ・ムロアジの違いとは?味・見た目・値段・旬を徹底比較!
スーパーや魚市場でよく見かける「アジ(鯵)」。
一言でアジといっても、実はマアジ・シマアジ・ムロアジなど、いくつもの種類があります。
見た目は似ていますが、味わいや値段、旬、用途が大きく異なるのです。
今回は、日本人に最もなじみのあるこの3種類のアジの違いを、やさしく解説します。
マアジ・シマアジ・ムロアジの違いを一覧で比較
| 項目 | マアジ(真鯵) | シマアジ(縞鯵) | ムロアジ(室鯵) |
|---|---|---|---|
| 分類 | アジ属(Trachurus japonicus) | シマアジ属(Pseudocaranx dentex) | ムロアジ属(Decapterus muroadsi) |
| 見た目 | 銀色で体が細長い。一般的なアジの形。 | 体が丸みを帯び、体側に黄色い縞模様。 | 細身で体が青みがかる。やや光沢が強い。 |
| 味・脂の乗り | 脂がのり旨味が強い。クセが少ない。 | 脂が非常に多く、甘みとコクがある。 | やや風味が強く、青魚らしい味。 |
| 主な産地 | 全国各地(特に九州・瀬戸内) | 九州・四国・紀伊半島など温暖な海域 | 伊豆諸島・小笠原諸島・九州南部など |
| 旬の時期 | 5月〜7月(初夏) | 夏〜秋(6月〜10月) | 秋〜冬(9月〜12月) |
| 主な用途 | 刺身・たたき・塩焼き・フライ・干物 | 刺身・寿司・カルパッチョ | 干物・くさや・フライ |
| 価格の目安 | 手頃で流通量が多い | 高級魚として扱われる | 比較的安価・加工用が多い |
マアジ(真鯵)とは?
日本で最もポピュラーなアジがマアジです。
体は銀色でスリム、尾の付け根に硬い「ぜいご」と呼ばれるウロコがあります。
全国の沿岸に広く分布しており、家庭の食卓で最も多く食べられる魚の一つです。
味はクセがなく、ほどよい脂の乗りと旨味が特徴。
塩焼き、アジフライ、なめろう、干物、刺身など、どんな調理法でも美味しく食べられます。
特に「関アジ(大分県)」や「岬アジ(長崎県)」などのブランドマアジは、高級魚としても人気です。
シマアジ(縞鯵)とは?
シマアジはアジ類の中でも高級魚として知られています。
体の中央に走る黄色い縞模様が特徴で、体高(体の厚み)があり丸みを帯びた体型をしています。
一般的なマアジよりも大きく、体長が50cmを超える個体もいます。
味は非常に濃厚で、脂の甘みとコクが際立ちます。
刺身や寿司ネタとして特に人気が高く、高級料亭や寿司店では定番のネタです。
天然物は希少で、近年は養殖ものが主流。
「伊東のシマアジ」「宇和島のシマアジ」など、各地のブランド養殖魚としても有名です。
ムロアジ(室鯵)とは?
ムロアジはマアジやシマアジに比べるとやや細長く、青みがかった体をしています。
名前の「ムロ」は、干物を乾燥させる「室(むろ)」から来ており、昔から干物用として人気の魚です。
味はやや青魚特有の風味が強く、旨味もしっかりしています。
そのため、塩干しやくさやの原料としてよく使われます。
伊豆諸島や小笠原諸島では「クサヤモロ」と呼ばれる近縁種もあり、独特の香りと味わいが特徴です。
味と食感の違い
3種類のアジを比べると、食感や味わいにも明確な違いがあります。
- マアジ:身がしっとりしており、クセが少なくバランスの取れた味。
- シマアジ:脂が多くとろけるような舌触り。高級感のある旨味。
- ムロアジ:歯ごたえがあり、青魚らしい風味。焼きや干物で真価を発揮。
同じ「アジ」でも、料理の仕方で印象が大きく変わります。
たとえば、刺身で食べるならシマアジ、焼き魚ならマアジ、干物ならムロアジがおすすめです。
旬の違い
アジは一年中流通していますが、旬を知るとより美味しく味わえます。
- マアジ:5月〜7月の初夏が旬。脂がのりつつもさっぱりとした味わい。
- シマアジ:6月〜10月が旬。夏にかけて脂がのり、刺身に最適。
- ムロアジ:9月〜12月が旬。寒くなるほど旨味が濃くなり、干物にも最適。
旬の時期に食べることで、同じ魚でも格段に味が違って感じられます。
価格の違い
市場価格では、圧倒的にシマアジが高級魚です。
1kgあたり数千円〜1万円を超えることもあります。
マアジは流通量が多く、家庭用としても手頃な価格で購入できます。
ムロアジは加工用が中心で、比較的安価に手に入ります。
まとめ:あなたはどのアジが好き?
マアジ・シマアジ・ムロアジの違いをまとめると、次のようになります。
- マアジ:日本の食卓の定番。万能型のアジ。
- シマアジ:高級魚。脂のり抜群で刺身・寿司向け。
- ムロアジ:風味が強く、干物やくさやに最適。
どのアジも、それぞれに魅力があり、調理法によって楽しみ方が変わります。
新鮮なアジを見つけたら、ぜひ種類を意識して選んでみてください。
きっと、これまで気づかなかった味の違いに出会えるはずです。


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