辞典・事典・字典の違いとは?意味と使い分けを徹底解説
「辞典」「事典」「字典」──いずれも似たように見える言葉ですが、
実は扱う内容や目的が異なることをご存じでしょうか?
普段「辞書」とひとまとめにされがちなこれらの言葉は、
使う場面や調べたい内容によって使い分ける必要があります。
この記事では、3つの違いをわかりやすく解説し、比較表で整理します。
辞典とは?
「辞典(じてん)」とは、言葉の意味や使い方を調べるための本のことです。
「辞書」とほぼ同じ意味で使われ、最も一般的な形態です。
語彙(ごい)を中心に、読み方・意味・品詞・用例などが記されています。
代表的な辞典には、「広辞苑」や「大辞林」、「新明解国語辞典」などがあります。
これらは国語辞典として、日本語の理解や正しい使い方を学ぶ際に欠かせません。
- 扱う対象:言葉・語彙
- 内容:意味・用法・発音・語源など
- 例:「広辞苑」「新明解国語辞典」など
事典とは?
「事典(じてん)」は、知識や事柄を体系的にまとめた本を指します。
いわば「百科事典」の略で、言葉そのものではなく、
出来事・概念・人物・地名・歴史など、事実や情報を解説するものです。
代表的な事典には、「世界大百科事典」「日本国語大事典」「医学事典」などがあります。
調べたい「事柄」について深く理解したいときに使うのが事典です。
- 扱う対象:事実・知識・概念
- 内容:歴史・文化・科学・社会・人物などの説明
- 例:「世界大百科事典」「国史大事典」など
字典とは?
「字典(じてん)」は、漢字そのものを対象にした辞典です。
一文字ごとの意味・読み方・部首・筆順・画数などを調べるためのものです。
つまり、「言葉」ではなく「漢字」について詳しく知るための辞典です。
代表的な字典には、「漢和辞典」「新漢語林」「大字典」などがあります。
日本語学習や書道、古文・漢文の学習において欠かせない存在です。
- 扱う対象:漢字
- 内容:読み方、意味、部首、筆順、成り立ちなど
- 例:「新漢語林」「大字典」など
辞典・事典・字典の比較表
項目 | 辞典(じてん) | 事典(じてん) | 字典(じてん) |
---|---|---|---|
対象 | 言葉・語彙 | 知識・事柄・概念 | 漢字 |
内容 | 意味・使い方・用例 | 歴史・文化・科学などの説明 | 読み方・筆順・部首・意味 |
目的 | 言葉の使い方を知る | 知識を深める | 漢字の成り立ちや意味を知る |
代表的な書籍 | 広辞苑・新明解国語辞典 | 世界大百科事典・日本史大事典 | 新漢語林・大字典 |
別名 | 辞書 | 百科事典 | 漢和辞典 |
使う場面 | 日本語の意味を調べる | 専門的な知識を調べる | 漢字の読みや意味を調べる |
「辞書」との関係
「辞典」と「辞書」はほぼ同義語ですが、使い方に微妙な違いがあります。
一般的に「辞書」は広い意味で使われ、「辞典」はやや学術的・正式な言い方です。
たとえば学校では「国語辞典」と呼ぶ一方、出版物のタイトルでは「辞典」とされることが多いです。
- 例:「国語辞典」=授業・学習用
- 例:「広辞苑」=正式な名称としての辞典
似ているけど違うポイント
3つの言葉を整理すると、次のように理解できます。
- 「辞典」=言葉の意味を調べる本
- 「事典」=知識・事柄を調べる本
- 「字典」=漢字を調べる本
つまり、「辞典」は言葉、「事典」は知識、「字典」は文字を対象にしているのです。
どれも調べ物に使う本という共通点がありますが、
目的に応じて使い分けることで、より正確に情報を得ることができます。
まとめ:使い分けのポイント
最後に、「辞典」「事典」「字典」を混同しないための使い分けをまとめましょう。
- 言葉の意味を調べたいとき → 「辞典」
- 知識や事柄を調べたいとき → 「事典」
- 漢字の読み方や成り立ちを調べたいとき → 「字典」
このように、3つの「じてん」は似て非なる存在です。
目的に合った辞書を選ぶことで、調べものの効率も格段に上がります。
日本語の奥深さを感じながら、正しく使い分けていきましょう。
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