ムササビとモモンガの違いとは?見た目・生態・生息地を徹底比較!
夜の森で木から木へと滑空する姿が印象的な「ムササビ」と「モモンガ」。
どちらもリスの仲間で見た目がよく似ていますが、実は大きさ・生息地・活動時間・鳴き声などに明確な違いがあります。
この記事では、ムササビとモモンガの違いを比較表付きでわかりやすく紹介します。
ムササビとモモンガの基本的な違い
項目 | ムササビ | モモンガ |
---|---|---|
体の大きさ | 全長50〜80cm(しっぽ含む) | 全長20〜30cm程度 |
体重 | 約700〜1500g | 約150〜200g |
滑空距離 | 最大100m以上 | 20〜50mほど |
生息地 | 本州、四国、九州の山林 | 北海道・本州・九州の一部の森林 |
活動時間 | 夜行性(夕方から明け方) | 夜行性(夜間中心) |
鳴き声 | 「ギー」「キュルル」など大きめ | 「チィチィ」と小さく可愛い声 |
食べ物 | 木の葉、樹皮、果実 | 木の実、芽、樹液 |
特徴 | 大きく滑空し、樹洞に巣を作る | 小柄で可愛く、群れで暮らすことも |
ムササビとは?
ムササビはリス科ムササビ属の哺乳類で、日本固有種です。体長は約30〜40cm、しっぽを含めると70cmを超える大型の滑空動物です。
体の両脇から手足にかけて「飛膜(ひまく)」と呼ばれる膜があり、これを広げて滑空します。
ムササビは夜行性で、日中は木の洞(うろ)や巣箱などに身を隠し、夕方になると活動を始めます。
餌は木の葉や樹皮、果実などで、特に桜やカエデなどの葉を好んで食べます。
滑空距離はなんと最大100メートルにも達し、森の中を悠々と飛び回る姿は圧巻です。
ムササビは「日本最大のグライダー哺乳類」と呼ばれるほどで、滑空中はまるで鳥のように方向を変えることができます。
モモンガとは?
モモンガもリス科に属する滑空動物ですが、ムササビよりずっと小型です。
体長は15〜20cm程度で、手のひらサイズの愛らしい姿が人気。ペットとしても知られています。
日本に生息するのは「エゾモモンガ」(北海道)と「ホンドモモンガ」(本州以南)の2種類。
どちらも夜行性で、大きな黒い瞳が特徴的です。これは夜でもよく見えるように発達した目で、暗闇の中でも木々の間をすばやく移動できます。
モモンガの滑空距離は20〜50メートルほどで、ムササビより短いですが、俊敏さでは勝ります。
群れで暮らす傾向もあり、寒い地域では数匹が寄り添って冬を越すこともあります。
見た目の違い
見た目で最もわかりやすいのはサイズと目の大きさです。
- ムササビ:大きくてどっしり、顔が細長くキツネに近い印象。
- モモンガ:小柄で丸顔、黒目がちで「ぬいぐるみのような可愛さ」。
また、ムササビの飛膜は広く、腕から足、しっぽの付け根まで伸びていますが、モモンガの飛膜は比較的短く、コンパクトな形です。
行動の違い
ムササビは基本的に単独で行動しますが、モモンガは家族や仲間と群れることもあります。
滑空距離の違いは生息環境によるもので、ムササビは広い森の高木に、モモンガは中低木の密林に多く見られます。
鳴き声とコミュニケーション
ムササビは「ギー」「キュルル」といった甲高い声を出すのに対し、モモンガは「チィチィ」と可愛らしい鳴き声を出します。
夜の森でムササビの鳴き声が響くと、その存在がすぐにわかるほど特徴的です。
生息地と分布
ムササビは日本の本州・四国・九州に生息していますが、北海道にはいません。
一方、モモンガは北海道から九州まで広く分布し、特にエゾモモンガは北海道のシンボル的存在です。
まとめ:ムササビとモモンガの違い
特徴 | ムササビ | モモンガ |
---|---|---|
体長 | 30〜40cm(しっぽ含め70cm以上) | 15〜20cm(しっぽ含め30cm程度) |
体重 | 約1kg前後 | 約150〜200g |
滑空距離 | 最大100m | 約20〜50m |
顔つき | 細長くシャープ | 丸く愛らしい |
目の大きさ | 比較的小さい | 非常に大きく黒目がち |
活動 | 単独行動 | 群れで行動することも |
鳴き声 | 「ギー」「キュルル」など | 「チィチィ」など |
生息地 | 本州・四国・九州 | 北海道〜九州 |
結論:ムササビ=大きくて滑空力が高い、モモンガ=小さくて愛らしい
ムササビとモモンガはどちらも「滑空するリスの仲間」ですが、
ムササビは大きくて滑空距離が長い森のグライダー、モモンガは小柄で可愛い夜の妖精のような存在です。
森の中で出会うときは、その大きさと鳴き声、滑空の様子に注目すると、違いがはっきりとわかるでしょう。
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