「連絡」「報告」「相談」の正しい順番とは?場面別にわかりやすく解説
「連絡・報告・相談」はビジネスの基本。「ほうれんそう」とまとめて覚えている方も多いでしょう。では、実務で何か起きたとき、どの順番で何をすればいいのか――これを明確に答えられる人は意外と少ないです。
本記事では「原則」「場面別の優先順」「具体的な例文」「チェックリスト」を示し、すぐ使える形で解説します。
結論(要点)
- 「正しい順番」は一概に決まらない:状況によって優先順位が変わる
- 実務で使える基本の流れは:①連絡 → ②報告 → ③相談(ただし緊急時は「まず報告」が最優先になる)
- 重要なのは「誰に」「何を」「いつまでに」伝えるかを明確にすること
用語の意味をもう一度確認
- 連絡(れんらく):関係者に情報を共有すること。予定変更や簡単な報知に使う。
- 報告(ほうこく):事実・経過・結果を上司や関係者に伝え、会社としての記録や判断材料とすること。
- 相談(そうだん):判断に迷うときや方針決定が必要なときに、助言や決裁を求めること。
なぜ「順番」が問題になるのか?
同じ出来事でも、伝える相手やタイミングを誤ると業務が混乱します。例えば、顧客対応で問題が起きたときに「上司に相談せずに勝手に対応」すると、後から重大な判断ミスが発覚することがあります。一方で、些細なトラブルをいちいち上司に報告すると業務が停滞する。順番の理解は、業務効率とリスク管理の両面で重要です。
実務で役立つ“基本の流れ”
まず押さえておきたい基本の流れ(多くの職場で使える):
- 連絡(まず関係者へ素早く情報を共有する)
例:会議の開始時間が変更になったら、参加者全員に連絡する。顧客対応で影響範囲があるときは関係部署にも伝える。 - 報告(事実・経過を上司に正式に伝える)
例:トラブルの発生事実、原因調査の経過、現状把握を上司へ報告する。報告書やメールで記録を残す。 - 相談(判断や次の対応を上司と一緒に決める)
例:顧客への謝罪方針、補償額、社外への情報公開方針などは相談して決める。
この流れの利点は「まず情報が伝わる」→「上司が事実を把握する」→「方針を決める」という意思決定プロセスがスムーズになる点です。
ただし、緊急時は「まず報告」が最優先
火災や事故、重大なクレームなど緊急性の高い事象では、まず上司や管理者に即時の報告が必要です。理由は判断・指示を仰ぐ必要があるためです。続いて関係者へ連絡し、対応方針を相談します。緊急時の実務順は一般に:
- 報告(上司へ即時)
- 連絡(関係者・関係部署へ速やかに)
- 相談(対応方針の確定)
場面別の具体例(すぐ使える例文つき)
1)会議の遅刻・開始遅延
- 連絡:参加者全員に「開始が10分遅れます」とメール/チャットで連絡。
- 報告:重要会議なら上司へ「開始遅延の理由と対応」を報告。
- 相談:議題の順序をどうするか上司や司会者と相談。
2)顧客からのクレーム(軽度)
- 連絡:担当部署にクレームの内容を共有。
- 報告:上司へ事実と初期対応の報告(メールで記録)
- 相談:対応方針(謝罪・返金など)を上司と相談。
3)重大な事故・情報漏えい(緊急)
- 報告:まず安全管理者や上司に即時報告。
- 連絡:関係部署・法務・広報へ連絡(上司の指示に従う)。
- 相談:再発防止策や対外発表の内容を相談・決定。
比較表:場面別の優先順位(一目でわかる)
| 場面 | 優先順(1→3) | 理由 |
|---|---|---|
| 日常の予定変更 | 連絡 → 報告 → 相談 | まず関係者に情報共有し、必要なら上司へ報告 |
| 軽い顧客クレーム | 連絡 → 報告 → 相談 | 担当で一次対応→上司へ事実を共有→方針は相談 |
| 重大事故・緊急事態 | 報告 → 連絡 → 相談 | 即時の判断と指示が必要(上司へ先に報告) |
実務で失敗しないためのチェックリスト
- まず「誰」に伝えるべきかを決める(関係者一覧を把握)
- 伝えるべき内容は「事実」「影響範囲」「期日(いつまでに)」「自分の要望(指示が欲しいのか)」を明確にする
- 連絡は簡潔に、報告は記録(メール・報告書)で残す
- 相談する際は複数案を用意してから相談する(選択肢を示す)
よくある質問(FAQ)
Q1:ほうれんそうは順番どおりに使わないとダメですか?
A:いいえ。順番は場面と目的で変わります。重要なのは「情報が適切な相手に適切なタイミングで届く」ことです。
Q2:相談を先にしてもいいですか?
A:事前に判断を仰ぎたい場合は相談を先にすることもあります。ただし、相談前に関係者に影響が出る情報は事前に連絡しておきましょう。
まとめ(最後に覚えておきたいこと)
- 「正しい順番」は状況依存。日常は連絡 → 報告 → 相談、緊急時は報告 → 連絡 → 相談が基本。
- 順番そのものより「誰に」「いつまでに」「何を伝えるか」を明確にすることが大切。
- 連絡は速く、報告は正確に、相談は方針提示と選択肢を用意する。
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