棄却と却下の違いをわかりやすく解説します|法律用語の正しい理解。

○○と○○の違い





棄却と却下の違いをわかりやすく解説|法律用語の正しい理解


棄却と却下の違いをわかりやすく解説

裁判に関するニュースなどでよく耳にする「棄却(ききゃく)」と「却下(きゃっか)」。似たような場面で使われるため混同されがちですが、法律上ははっきりと異なる意味を持っています。この記事では、法律の専門知識がなくても理解できるように「棄却」と「却下」の違いをわかりやすく解説します。

棄却とは?

棄却とは、裁判所が訴えや請求の内容を審理した上で、その請求を認めないという判断のことです。

つまり、内容をきちんと検討した上で「理由がない」「認められない」と判断される場合に使われます。

棄却は「判決」で行われるのが特徴です。
民事裁判であれば「請求棄却判決」、刑事裁判であれば「控訴棄却判決」などが代表例です。

例えば以下のようなケースです:

  • 遺産分割で請求したが証拠が不十分 → 請求棄却
  • 名誉毀損の損害賠償を請求したが、違法性が認められない → 請求棄却

このように、棄却は「審理した上で認めない」という意味を持ちます。

却下とは?

一方の却下とは、訴えや申し立てが要件を満たしていないため、内容を審理せずに排除することです。

つまり、そもそもその裁判を行う前段階で不適切と判断される場合に使われます。

却下は主に「決定」または「命令」で行われるのが特徴です。

例としては:

  • 訴える資格(原告適格)がない → 却下
  • 期限を過ぎて申し立てた → 却下
  • 訴えの形式が法律の要件を満たさない → 却下

このように却下とは、「内容に入る前に門前払いされるイメージ」の用語です。

棄却と却下の違いを比較

項目 棄却 却下
審理の有無 内容を審理した上で判断 審理を行わず排除
判断理由 請求の根拠が認められない 手続き的・形式的な要件を満たしていない
裁判所の判断形式 判決 決定・命令
イメージ 「内容を検討したがNG」 「内容を見る前にNG」

裁判の流れから見た違い

裁判は通常、訴状を提出し、受理されて初めて審理が進みます。しかし、却下される場合は訴状そのものが受理されなかったり、審理に進む前の段階で排除されます。

棄却される場合は、訴状は受理され、審理も行われた上で最終判断として「認めない」という結論になります。

この違いは、当事者にとっても大きな意味を持ちます。
例えば、棄却と却下では、その後の控訴や再提訴の可能性も異なります

まとめ

棄却と却下は似ているようで、裁判のどの段階で使われるか、どんな理由で判断されるかが大きく異なります。

  • 棄却:審理した結果、請求が認められない
  • 却下:審理に入る前の要件不足で排除される

ニュースや判決文を見る際も、この違いを知っておくことで状況を正確に理解しやすくなります。法律用語としては難しく感じるかもしれませんが、意味自体ははっきりと区別されています。





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