【わらび餅とくず餅の違い】材料・食感・地域による違いまで徹底解説
夏になると食べたくなる和菓子といえば、「わらび餅」と「くず餅」。
どちらも透明感があり、冷やして黒蜜ときな粉で食べる点が共通しているため、同じような食べ物だと思われがちです。
しかし、この2つは材料も作り方も食感もまったく異なる和菓子です。
この記事では、わらび餅とくず餅の明確な違いを初心者にもわかりやすく解説し、比較表も用いて整理します。
わらび餅とは?(本来はワラビの根から作る餅)
わらび餅は、本来ワラビの根(わらび根)から採れるデンプンで作られる和菓子です。
わらび粉を水と砂糖と混ぜて加熱し、粘りが出て透明になったら冷やして固めて作ります。
現代のわらび餅の多くは「わらび粉ではない」?
実は本物のわらび粉は非常に希少で高価です。
そのため、市販されているわらび餅の多くは
- サツマイモデンプン
- タピオカデンプン
- 馬鈴薯(じゃがいも)デンプン
などを混ぜ合わせて作られています。
本わらび粉100%のわらび餅は黒っぽく、もちもちの中に独特の粘りと深い風味があります。
わらび餅の特徴
- 材料:わらび粉 or 各種デンプン
- 食感:もちもち・ぷるぷる・やわらかい
- 味:淡白で黒蜜やきな粉と相性抜群
- 地域:全国的に食べられる
くず餅とは?(関東と関西で全く別物)
実は「くず餅」には関東と関西で違う2種類が存在します。
これは日本の和菓子の中でも珍しいポイントです。
① 関西のくず餅(葛粉から作る透明な餅)
関西のくず餅は、葛粉(くずこ)を使用して作ります。
葛粉は、葛(くず)という植物の根から採れるデンプンで、非常に高品質な和の食材です。
葛粉を水で溶き、加熱して透明になったら固めたものが関西式のくず餅。
見た目はわらび餅に似ていますが、より透明感があり、つるんとした食感が特徴です。
② 関東のくず餅(小麦粉を乳酸発酵させた和菓子)
一方、関東のくず餅はまったく別物です。
材料はなんと小麦粉。
小麦粉を1年以上乳酸発酵させて作る、関東独自の伝統的な発酵食品です。
蒸し上げると白く弾力のある食感になり、こちらも黒蜜ときな粉をかけて食べます。
「亀戸名物・船橋屋のくず餅」が代表的です。
くず餅の特徴
- 材料:関西=葛粉、関東=小麦粉
- 食感:関西=つるんと透明、関東=やや弾力と酸味
- 見た目:関西は透明、関東は白く半透明
【比較表】わらび餅とくず餅の違い
| 項目 | わらび餅 | くず餅(関西) | くず餅(関東) |
|---|---|---|---|
| 主原料 | わらび粉/各種デンプン | 葛粉(くず) | 小麦粉を乳酸発酵させたもの |
| 見た目 | やや透明、淡い色 | 透明度が高い | 白っぽい半透明 |
| 食感 | もちもち・ぷるぷる | つるん・しっとり | やや弾力があり独特の酸味 |
| 味 | 淡白でクセがない | なめらかで上品な風味 | 発酵由来の風味あり |
| 地域性 | 全国 | 主に関西 | 関東名物 |
見た目は似ていても中身は全く違う
透明で冷たい和菓子という共通点はありますが、材料・作り方・食感などは大きく異なります。
特に関東のくず餅は発酵食品で、わらび餅・葛粉のくず餅とは全く別のジャンルと言えるほど違います。
どちらがヘルシー?
どちらも低脂肪でヘルシーですが、
- 葛粉のくず餅(関西)…消化に良い・体を温める作用
- わらび餅…低カロリー・夏向け
- 関東のくず餅…発酵食品のため腸内環境に良い
このように、それぞれの魅力と健康効果が異なります。
まとめ
わらび餅とくず餅は見た目が似ているため混同されがちですが、
- 材料
- 食感
- 作られ方
- 地域性
などが大きく異なります。
特に「くず餅」は関東と関西で別物という点が最大のポイント。
両方を食べ比べると、その違いがよくわかります。


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