ヒグマとツキノワグマの違いをわかりやすく解説｜特徴・生息地・性格・遭遇時の対処法まで徹底比較

日本に生息するクマは「ヒグマ」と「ツキノワグマ」の2種類ですが、
両者は見た目・大きさ・性格・行動範囲・危険性などが大きく異なります。

この記事では、初心者でも理解しやすいように
ヒグマとツキノワグマの違いを比較表とともにわかりやすく解説します。
さらに、遭遇したときの対処法も紹介します。

ヒグマとツキノワグマの比較表

項目	ヒグマ	ツキノワグマ
大きさ	250〜500kg（北海道で最大700kg超の記録あり）	50〜120kg（最大150kg程度）
体長	2〜3m	1.2〜1.8m
生息地	北海道のみ	本州・四国
体色	茶褐色〜黒褐色	黒色で胸に白い「三日月模様」
性格	攻撃性が非常に高い	基本的には臆病で人を避ける
走る速度	時速50〜60km	時速40〜50km
登山能力	木登りは苦手	木登りが得意
遭遇時の危険度	極めて高い（国内最大級の危険動物）	中程度（刺激すると危険）

ヒグマとは？

ヒグマは、北海道にのみ生息する大型のクマで、日本最大の陸上動物とも言われます。
世界的には「ブラウンベア」の仲間で、アメリカのグリズリーと同種です。

特徴

• 体が非常に大きく、成獣で300〜500kgが一般的
• 肩が盛り上がった「肩 hump」が目立つ
• 茶色〜黒褐色の体毛
• 嗅覚が鋭く、遠くの匂いを感知する

性格・行動

ヒグマは自分の縄張り意識が強く、
人間に対して攻撃的になることが多いのが特徴です。
特に子連れの母グマは、近づくだけで危険です。

生息地

北海道全域に生息し、森林・山岳地帯だけでなく、
近年は平地や街へ出没する例も増えています。

ツキノワグマとは？

ツキノワグマは、本州・四国に生息する中型のクマです。
胸に白い三日月状の模様があることから「月の輪熊」と呼ばれます。

特徴

• 成獣の体重は50〜120kgと比較的小型
• 黒色の体毛に胸の白い模様が特徴
• 木登りが非常に得意

性格・行動

ツキノワグマは臆病な性格で、基本的に人を避ける傾向があります。
しかし、追い詰められたり、驚かせたりすると攻撃してくるため注意が必要です。

生息地

本州の広い範囲と四国に生息しています。
九州は絶滅したと考えられています。

見分け方のポイント

①胸の模様で判断

• ツキノワグマ → 胸に白い三日月模様
• ヒグマ → 模様なし、肩の盛り上がりが特徴

②大きさで判断

• ヒグマ → 明らかに巨大（300kg級）
• ツキノワグマ → 比較的小型（100kg前後）

③生息地で判断

• 北海道 → ヒグマ
• 本州・四国 → ツキノワグマ

危険性の違い

ヒグマは国内最強クラスの危険動物

ヒグマは体格・筋力・攻撃性のどれもが国内動物でトップクラスです。
遭遇・接近は命の危険に直結します。

ツキノワグマは臆病だが油断は禁物

ツキノワグマは基本的に逃げますが、
・子連れ
・驚かせる
・餌を求めて人慣れしている個体
などは攻撃する可能性が高いです。

遭遇したときの対処法

ヒグマの場合

• 絶対に走らない（追われたら100%追いつかれる）
• 背を向けない
• 熊スプレーの使用
• 大声は出さず、刺激しない

ツキノワグマの場合

• ゆっくり後退する
• 物音を立てて存在を知らせると逃げていくことが多い
• 子連れの母グマには近づかない

まとめ

• ヒグマ＝北海道のみ。巨大で攻撃性が高く国内最強クラス。
• ツキノワグマ＝本州・四国。中型で臆病だが状況次第で危険。
• 体の大きさ、性格、胸の模様、生息地が大きな違い。

どちらのクマも野生動物であり、遭遇は大きな危険を伴います。
山へ入る際は対策を万全にして、安全に自然を楽しみましょう。