霧(きり)ともや(靄)の違いをわかりやすく解説
「霧(きり)」とも「もや(靄)」も、どちらも空気中に細かな水滴が浮かんで視界が悪くなる現象です。日常でも使う言葉ですが、気象の専門用語としては明確な違いが決められています。
この記事では、霧ともやの違いを「視程(見通せる距離)」という公式な基準に基づいてわかりやすく解説します。比較表もあるので、一目で理解できます。
霧ともやの違いを一言でまとめると?
霧=視界が非常に悪い(視程1km未満)
もや=うっすら霞んで見える(視程1km以上)
つまり、大きな違いは見通せる距離(視程)です。
霧ともやの違いを比較表でチェック
| 項目 | 霧(きり) | もや(靄) |
|---|---|---|
| 視程(見通せる距離) | 1km未満 | 1km以上 |
| 見え方の印象 | 真っ白で視界が大きく悪い | 遠くが少し霞んで見える |
| 危険度 | 高い(運転・飛行に影響大) | 比較的低い |
| 天気予報での扱い | 「霧注意報」「濃霧注意報」などが発表される | 注意報などは出ない |
| 発生条件 | 湿度が高く、冷え込みで水蒸気が水滴化 | 水蒸気・煙・ちりなどで軽く霞む |
霧(きり)の特徴
霧とは、視程が1km未満になるほど濃い水滴の集まりです。運転中に一気に視界が真っ白になった経験がある人も多いでしょう。
霧が発生しやすい条件
- 前日の雨で湿度が高い
- 早朝など気温が急に下がる時間帯
- 風が弱い場所
- 山・湖・川の周辺
霧の見え方
霧は非常に細かな水滴が空中に漂っており、光を散乱させるため真っ白に見えるのが特徴です。
特に濃い霧(濃霧)は、運転や航空機の離着陸に影響するため、気象庁が「濃霧注意報」を発表することがあります。
もや(靄)の特徴
もやは、視程が1km以上の比較的軽い霞のことで、霧ほど危険性はありません。霧と違い、水滴だけでなく、ちり・煙などの微粒子による場合もあるのが特徴です。
もやが発生しやすい条件
- 湿度が高いとき
- 工場や車の排気が多い地域
- 都会の高層ビル群の周辺
- 夜〜早朝の冷え込み時
もやの見え方
遠くの景色が軽く白っぽく見える程度で、近くのものはよく見えるのが特徴です。観光地で「山が霞んで見える」という時も、ほとんどが「もや」です。
発生メカニズムの違い
霧ともやはどちらも湿度の高さが関係しますが、厳密には次の点に違いがあります。
霧のメカニズム
- 空気が冷える
- 水蒸気が凝結して水滴になる
- 大量に集まることで視界が悪化
もやのメカニズム
- 水蒸気が軽く漂う程度
- ちり・煙が混ざることで白く見える場合もある
- 視界は落ちるが、霧ほど濃くない
つまり、霧=水滴の密度が高い / もや=密度が低いという違いです。
見分け方のポイント
気象庁の基準を使うと簡単に判断できます。
- 1km未満 → 霧
- 1km以上 → もや
ただし、肉眼で距離を測るのは難しいため、実際には「真っ白で見えにくいか」「かすむ程度か」で判断されることが多いです。
まとめ:霧ともやは視程の違いで使い分ける
最後にもう一度違いを整理します。
- 霧=視程1km未満、真っ白で視界が悪い、危険度が高い
- もや=視程1km以上、かすむ程度、危険性は低い
- どちらも湿度の高さが原因だが、濃度(密度)が違う
天気予報や運転時の注意喚起としても覚えておくと役立ちます。


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