ところてんとかんてんの違いをわかりやすく解説
「ところてん」と「寒天(かんてん)」は、どちらも海藻を原料とした和の食品ですが、その作り方や形状、食感、用途は大きく異なります。見た目は似ていても、実はまったく別の食品です。本記事では、両者の違いを比較表で整理しながら、初心者にもわかりやすく解説します。
ところてんとかんてんの違い【比較表】
| 項目 | ところてん | 寒天(かんてん) |
|---|---|---|
| 原料 | テングサ(主に) | テングサ・オゴノリ |
| 製造過程 | 海藻を煮出して冷やし固めたもの | 煮出した海藻を凍結乾燥し、粉寒天や棒寒天に加工 |
| 形状 | 押し出して作る細い麺状 | 棒状・粉末状・板状・ゼリー状 |
| 食感 | 弾力があり、つるっとして柔らかい | しっかり固く、ぷるぷる・コリっとした食感 |
| 用途 | 酢醤油・黒蜜で食べる冷たい麺風食品 | デザート、ゼリー、和菓子、料理の固め材料 |
| カロリー | ほぼ0 kcal | ほぼ0 kcal |
| 歴史 | 奈良時代から食用とされる | 江戸時代に加工技術が確立 |
ところてんとは?特徴と魅力
ところてんは、主にテングサという海藻を煮出し、冷やして固めたものを突き出して細くした食品です。昔から夏の定番食品として親しまれています。
ところてんの特徴
- つるつる・ぷるっとした食感
- 酢醤油や黒蜜など味付けの幅が広い
- ほぼノンカロリーでヘルシー
- 水分が多く、寒天より柔らかい
ところてんの食べ方
- 酢醤油(関東)
- 黒蜜(関西)
- 三杯酢
- サラダ風
ところてんの歴史
奈良時代にはすでに食べられており、古くから暑気払いの食品として定着してきました。
寒天とは?特徴と魅力
寒天とは、テングサやオゴノリなどの海藻を煮出し、凍結乾燥という特殊な工程を経て作られる凝固剤です。家庭料理から和菓子まで幅広く使われています。
寒天の特徴
- ところてんより固く、しっかりした食感
- ゼリーや羊羹などの和菓子に使われる
- 粉寒天は溶かして使いやすい
- 食物繊維が非常に豊富
- カロリーがほぼ0
寒天の種類
- 棒寒天:昔ながらの固形タイプ
- 粉寒天:溶けやすく家庭で人気
- 糸寒天:細い糸状で料理向け
寒天の用途
- ゼリーやプリンなどのデザート
- 和菓子(羊羹・水ようかん)
- ところてんの原料にも使用
- スープやサラダの増粘剤
寒天の歴史
江戸時代、寒い季節にところてんが凍結したことがきっかけで発見されたといわれ、そこから乾燥加工食品として普及しました。
ところてんとかんてんの違いをさらに詳しく解説
①製造方法の違い
ところてんは煮て冷やすだけですが、寒天は「凍結 → 乾燥」という工程が入るため、より保存性が高くなります。
②食感の違い
ところてんは柔らかくみずみずしいのに対し、寒天はしっかり固まり、ゼリーよりも硬い質感になります。
③用途の違い
ところてんはそのまま食べる食品、寒天は料理の材料として使うことが多い点が大きく異なります。
結論:ところてんは“食べる”、寒天は“使う”食品
まとめると、両者の違いは以下の通りです。
- ところてん:テングサを煮て固めたものを麺状にした食べ物
- 寒天:海藻を煮出し凍結乾燥した凝固剤(ところてんの原材料にもなる)
どちらもヘルシーで古くから親しまれてきた日本の食文化を代表する食品です。食感や用途を理解すれば、料理やデザート作りがより楽しくなります。


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