年末調整とは何か?仕組みと対象者を解説
年末が近づくと会社から提出を求められる「年末調整書類」。
名前は聞いたことがあっても、「何のために行うのか」「確定申告と何が違うのか」分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、年末調整の基本的な仕組みから対象者、注意点までを初心者向けに分かりやすく解説します。
年末調整とは?
年末調整とは、1年間に支払うべき所得税の金額を最終的に確定させる手続きです。
会社員やパート・アルバイトの方は、毎月の給与から「源泉所得税」が天引きされています。しかし、この金額はあくまで概算であり、実際に支払うべき税額とはズレが生じます。
そのズレを年末に調整し、払い過ぎていれば還付、足りなければ追加徴収する仕組みが年末調整です。
なぜ年末調整が必要なのか
毎月の給与計算では、以下のような個人事情が反映されていません。
- 扶養家族の有無
- 生命保険料や地震保険料
- 住宅ローン控除
これらを反映させて正しい税額を計算するために、年末調整が行われます。
年末調整の対象者
原則として、以下の条件に当てはまる人は年末調整の対象です。
- 会社に雇用されて給与を受け取っている
- その会社が主たる勤務先である
正社員だけでなく、パート・アルバイトでも条件を満たせば年末調整は行われます。
年末調整で対象となる主な控除
| 控除の種類 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除 | すべての納税者が対象 |
| 扶養控除 | 扶養家族がいる場合 |
| 生命保険料控除 | 生命保険・介護医療保険など |
| 地震保険料控除 | 地震保険に加入している場合 |
| 住宅ローン控除 | 一定条件の住宅ローン |
年末調整と確定申告の違い
年末調整は会社が行う手続きですが、確定申告は本人が税務署へ申告する手続きです。
医療費控除や副業所得がある場合など、年末調整だけでは完結しないケースもあります。
年末調整を受けられないケース
- 年の途中で退職し再就職していない
- 副業の所得が大きい
- 個人事業主・フリーランス
これらの場合は、確定申告が必要になることがあります。
会社を休業した場合の注意点
病気やケガで長期間休業し、傷病手当金を受給している場合、支給内容によっては年末調整や確定申告が必要になることがあります。
まとめ
年末調整は、会社員にとって所得税を正しく精算するための重要な制度です。
提出書類を正しく記入しないと、控除が反映されず損をすることもあります。仕組みを理解し、毎年きちんと対応するようにしましょう。

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