今さら聞けない — 日本三大主義(国民主権・平和主義・基本的人権の尊重)をやさしく解説
憲法の教科書に必ず出てくる「三大主義」。普段の生活でも深く関わる重要なルールを、わかりやすくまとめました。
日本三大主義とは?
日本国憲法が大切にしている3つの柱のことを「三大主義」と呼びます。以下の3つです。
- 国民主権 — 国の政治の中心は国民である
- 基本的人権の尊重 — すべての人が持つ権利を最大限に守る
- 平和主義 — 戦争をしないと誓い、平和を守る
これらは日本国憲法の根幹であり、政治・教育・社会の全ての基礎となる考え方です。
三大主義の比較表(特徴を一気に理解)
| 主義 | 意味 | 憲法での位置づけ | 生活との関係 |
|---|---|---|---|
| 国民主権 | 国の政治のあり方を決める最終的な権力は国民にある | 第1条・第43条など | 選挙で政治に参加できる |
| 基本的人権の尊重 | すべての人が生まれながらに持つ権利を守る | 第11条・第13条・第97条など | 自由・権利・平等が保障されている |
| 平和主義 | 戦争を放棄し、軍事力による威嚇や武力行使を行わない | 第9条 | 平和な社会環境が維持される |
国民主権 — 国の主人公は「国民」
国民主権とは、国の政治の最終的な決定権が国民にあるという考え方です。
ポイント
- 政治家を選ぶのは国民(選挙)
- 国会は国民の代表によって構成される
- 政治は国民の意思に基づいて行われる
天皇は日本の象徴と定められており、政治的な権限は持ちません。あくまで国民の意思が中心にあります。
基本的人権の尊重 — すべての人の権利を守る
基本的人権とは、「人が人として生きるために必ず必要な権利」のことです。憲法ではこれを最大限に尊重し、侵してはならないものとしています。
主な権利の例
- 自由権(表現の自由・移動の自由など)
- 社会権(教育を受ける権利・生存権など)
- 参政権(選挙権など)
これらは国家であっても不当に制限することはできず、国民が安心して生活できる土台となっています。
平和主義 — 戦争をしないという誓い
日本国憲法は、世界でも珍しい「徹底した平和主義」を掲げています。第9条では、戦争を永久に放棄することが明記されています。
平和主義がもたらすもの
- 戦争に巻き込まれない社会を目指す
- 国際協調を重視する外交
- 軍備拡張ではなく平和的解決を優先
平和の維持は国際社会と協力しながら進められており、日本の外交方針の根本にもなっています。
三大主義はどんな場面で役に立っている?
三大主義は、実は日常生活にも深く関係しています。
- 選挙に行けるのは「国民主権」のおかげ
- 意見を自由に言えるのは「人権保障」があるから
- 戦争がない国で暮らせるのは「平和主義」の存在が大きい
憲法が守る価値は、普段は目に見えませんが、生活の安心と自由を支える基盤となっています。
Q&A — よくある疑問
A. 国の政治の仕組み(国民主権)、人の権利(人権)、社会の根本(平和)という「国家の基本要素」を表すためです。
A. いいえ。明治憲法には国民主権も人権保障も平和主義も明確にはありませんでした。戦後に大きく変わりました。
A. 憲法改正があれば変わる可能性はあります。ただし基本理念であるため、大幅に変わるケースは多くありません。
まとめ
日本三大主義は、
- 国民主権
- 基本的人権の尊重
- 平和主義
の3つです。この三つは日本国憲法の根本となる考えであり、日本の政治・暮らし・社会すべての基本ルールになっています。
学校で習う内容ですが、大人になってから理解するとより深く大切さが実感できるテーマです。


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