鏡餅の意味とは?置く理由・歴史・飾り方までわかりやすく解説
お正月になると家庭や職場に飾られる鏡餅(かがみもち)。
白く丸いお餅を二段に重ね、上には橙がちょこんと乗った、日本の伝統的なお正月飾りです。
しかし、
- 鏡餅を飾る意味って何?
- なぜ餅を二つ重ねるの?
- 橙が乗っている理由は?
こうした疑問は意外と知られていません。さらに、お正月には他にも様々なしきたりがあります。たとえば、おせち料理や、元日と元旦の違い、あるいは年賀状で使われる言葉の意味を解説した記事(賀正・謹賀新年の意味)もあります。
この記事では、鏡餅の意味・由来・飾り方・鏡開きの日まで、誰でも理解できるように丁寧に解説します。終わったら、ぜひ上記リンク先の記事も読んでみてください。
鏡餅とは?
鏡餅とは、年神様(としがみさま)をお迎えするためのお供え物です。
年神様は新年の幸福や豊作、家族の健康をもたらしてくれる神様とされています。
鏡餅はその神様の依り代(よりしろ)として飾られるもので、神様が宿る場所として人々が大切に扱ってきました。
鏡餅の形の意味
鏡餅は一般的に丸い餅を二つ重ねた形をしています。この形には以下のような意味があります。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| 丸い形 | 昔の銅鏡を表し、円満や幸福を象徴 |
| 二段重ね | 「月」と「太陽」「陰」と「陽」など、調和を表す |
| 橙(だいだい) | 「代々」家が続く=子孫繁栄を願う |
① 鏡餅が丸い理由
古代の鏡は今のものとは違い、丸い金属の板でした。
その形が力や神聖さの象徴であり、鏡餅の形にも取り入れられています。
② 餅を二つ重ねる理由
陰陽思想にもとづき、上下二つを重ねることで調和や福が重なるという意味があります。
また「歳を重ねる」との語呂合わせから、長寿祈願の意味も込められています。
③ 橙(だいだい)の意味
鏡餅の上の橙には「代々続く」=家の繁栄という願いが込められています。
小さな子どもがいる家庭では、特に縁起物として大切にされてきました。
鏡餅を飾る意味
鏡餅を飾る本来の意味は、年神様をお迎えし、その恩恵をいただくためです。
鏡餅を飾ることで、
- 家族の健康
- 一年の繁栄
- 商売繁盛
- 農作物の豊作
などを願います。
鏡餅を飾る期間
一般的には12月28日に飾るのが最良とされています。
「8」は末広がりで縁起が良いからです。
逆に避けられる日もあります。
| 日付 | 理由 |
|---|---|
| 12月29日 | 「二重の苦」を連想させ縁起が悪い |
| 12月31日 | 「一夜飾り」で神様に失礼とされる |
鏡開きの意味
鏡開き(かがみびらき)とは、鏡餅を下ろして食べる行事です。
食べることで、年神様の力の宿ったお餅をいただき、一年の無病息災を願います。
鏡開きは地域によって異なりますが、一般的には
1月11日
に行われます。(京都などは1月4日)
鏡開きで注意すること
鏡餅を割るときには包丁を使わないのが伝統です。
理由は、刃物を使うと「切る」「断ち切る」など縁起が悪い表現につながるためです。
木槌などで割ったり、個包装タイプの場合は手で割りやすいように工夫されています。
まとめ:鏡餅は“年神様のお迎えセット”
鏡餅はただの飾りではなく、
- 年神様を迎えるためのお供え物
- 丸い形=円満
- 二段=陰陽の調和・福が重なる
- 橙=代々繁栄
- 鏡開きで力をいただく
意味を知ることで、お正月の鏡餅がさらに特別なものに感じられるはずです。
なお、お正月全体のしきたりをまとめた記事もあります → おせち料理とお正月の習わし