労働契約書と雇用契約書の違いをわかりやすく解説
会社に入社する際に交わす書類として、「労働契約書」と「雇用契約書」という言葉を目にすることがあります。
一見すると同じ意味に思えますが、「何が違うの?」「法的に正しいのはどっち?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
この記事では、労働契約書と雇用契約書の違いについて、法律の考え方・実務上の扱い・注意点まで、初心者でも理解できるように解説します。
結論:労働契約書と雇用契約書に大きな違いはない
結論から言うと、労働契約書と雇用契約書は、実質的にはほぼ同じものです。
法律上は「労働契約」という言葉が正式ですが、実務では「雇用契約書」という名称が使われることも多く、
名称が違うだけで、内容や効力に大きな差はありません。
労働契約書とは?
労働契約書とは、労働者と使用者(会社)が結ぶ労働契約の内容を書面にしたものです。
労働契約とは、労働者が会社の指揮命令下で働き、会社が賃金を支払うことを約束する契約を指します。
労働契約書の特徴
- 労働基準法に基づく考え方
- 労働条件を明確にする目的
- 労使双方が署名・押印するのが一般的
法律用語としては「労働契約」が正式な表現であり、
行政文書や裁判などではこちらの言葉が使われます。
雇用契約書とは?
雇用契約書とは、会社が従業員を雇用する際に交わす契約書のことです。
実務上は、労働契約書とほぼ同じ意味で使われており、
企業側が分かりやすさを重視して「雇用契約書」という名称を使うケースも多くあります。
雇用契約書の特徴
- 法律上の正式用語ではない
- 会社独自の呼び方として使われることが多い
- 内容は労働契約書とほぼ同じ
労働契約書と雇用契約書の違い【比較表】
| 項目 | 労働契約書 | 雇用契約書 |
|---|---|---|
| 法律上の正式名称 | ◯(労働契約) | ×(法律用語ではない) |
| 意味・内容 | 労働条件を定めた契約 | 労働条件を定めた契約 |
| 法的効力 | あり | あり |
| 実務での使用 | 多い | 多い |
| 効力の違い | 違いはない | |
このように、名称が違うだけで、効力や役割は同じだと理解して問題ありません。
労働条件通知書との違いも知っておこう
労働契約書・雇用契約書と混同されやすいものに「労働条件通知書」があります。
労働条件通知書とは
労働条件通知書は、会社が労働者に対して労働条件を一方的に通知する書面です。
- 会社からの「通知」
- 労働者の署名が不要な場合もある
- 交付は法律で義務付けられている
一方、労働契約書・雇用契約書は、労使双方の合意によって成立します。
契約書で必ず確認すべきポイント
名称よりも重要なのは、中身をきちんと確認することです。
最低限チェックしたい項目
- 契約期間(有期・無期)
- 業務内容・勤務地
- 労働時間・残業の有無
- 賃金(基本給・手当・支払日)
- 休日・休暇
- 退職・解雇に関する規定
これらが曖昧なまま契約してしまうと、後々トラブルになる可能性があります。
まとめ|名前より「内容」が大切
労働契約書と雇用契約書の違いをまとめると、以下の通りです。
- 法律上の正式名称は「労働契約」
- 雇用契約書は実務上の呼び方
- 法的効力や内容に違いはない
- 重要なのは契約書の中身
これから就職・転職を控えている方は、
名称に惑わされず、条件をしっかり確認することを意識しましょう。

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