厚生年金と国民年金の違いは？

日本の公的年金制度には「厚生年金」と「国民年金」があります。
どちらも老後の生活を支える重要な制度ですが、加入する人・保険料・将来もらえる年金額などに大きな違いがあります。

本記事では、年金制度が初めての方でも理解できるように、厚生年金と国民年金の違いを比較しながら解説します。

厚生年金と国民年金の基本的な違い

項目	厚生年金	国民年金
加入対象	会社員・公務員	自営業者・学生・無職の人など
加入義務	条件を満たせば強制加入	20歳以上60歳未満は原則全員
保険料	給与に応じて決定（会社と折半）	定額制
将来の年金額	国民年金＋上乗せ	基礎年金のみ
扶養制度	配偶者が保険料免除になる場合あり	扶養制度なし

国民年金とはどんな制度？

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する基礎年金です。

自営業者、フリーランス、学生、無職の人などが主な対象で、保険料は毎月定額となっています。

老後にもらえる年金額は、原則として40年間保険料を納めた場合に満額となり、納付期間が短いと受給額も減少します。

厚生年金とはどんな制度？

厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金制度で、国民年金に上乗せされる仕組みになっています。

保険料は給与や賞与に応じて決まり、会社と本人が半分ずつ負担します。そのため、自己負担を抑えつつ将来の年金額を増やせる点が特徴です。

また、厚生年金に加入している人に扶養されている配偶者は、国民年金の保険料を納めなくてもよいケースがあります。

どちらが得？損？という考え方は危険

「厚生年金の方が得」「国民年金は損」と言われることがありますが、単純に比較できるものではありません。

厚生年金は保険料が高い一方で、将来の給付も手厚くなります。
国民年金は負担が一定ですが、その分、老後資金の準備を自分で行う必要があります。

働き方や収入に応じて、自分がどの年金制度に加入するのかを正しく理解することが大切です。

健康保険との関係も理解しておこう

年金制度とあわせて理解しておきたいのが健康保険です。
会社員が加入する健康保険と、国民健康保険にも違いがあります。

詳しくは、以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

健康保険と国民健康保険の違いを解説

まとめ

厚生年金と国民年金の違いは、加入対象や保険料の仕組み、将来もらえる年金額にあります。

制度を正しく理解することで、老後の生活設計や働き方の選択に役立てることができます。
まずは自分がどの年金に加入しているのかを確認することから始めましょう。