【完全版】お節料理30品目に込められた意味とは？縁起物の理由をわかりやすく解説

お正月に食べる「お節料理」。
実は、ひとつひとつの料理に家族の健康・商売繁盛・子孫繁栄などの願いが込められています。

本記事では、伝統的なお節の30品目の意味を、初心者でもわかりやすいように丁寧に説明します。
料理の背景を知ると、おせちがもっと深く味わえるようになります。

お節料理30品目と意味【一覧表】

食材	意味・縁起
黒豆	「まめに働く」「まめに暮らす」。健康・勤勉を願う。
数の子	ニシンは“二親”＝子孫繁栄。多くの卵から“繁栄”の象徴。
田作り（ごまめ）	五万米＝豊作祈願。小魚は豊漁の願いも。
紅白かまぼこ	紅白は慶事の色。魔除け（赤）と清浄（白）を表す。
栗きんとん	黄金色＝財運・金運招来。商売繁盛の象徴。
伊達巻	巻物に似ている＝知識が増える。学業成就の縁起物。
昆布巻	“よろこぶ”に通じる。長寿と家内安全。
海老	腰が曲がるまで長生き＝長寿祈願。
ぶりの照り焼き	出世魚＝出世祈願。
タイ（鯛）	“めでたい”に通じる。祝いの定番。
筑前煮（根菜）	根が深く張る＝家庭運の安定。
里芋	小芋が多い＝子孫繁栄。
ごぼう	土の中に深く根を張る＝家の土台が安定。
れんこん	穴が開いて先が見通せる＝将来の見通しが明るい。
にんじん（花形）	花の形で祝意を表す。鮮やかな紅で邪気を払う。
たけのこ	まっすぐ伸びる＝成長祈願。
昆布締め	“結ぶ”意味があり家庭円満。
なます	紅白でお祝いの色。平和・調和を象徴。
紅白なます	水引に見立てられ、縁起の良い組み合わせ。
たたきごぼう	地に根を張る力＝家運隆盛。
穴子（うまき）	長い体＝長寿と繁栄。
八幡巻	巻く＝成就。根菜との組合わせで“土台が固い”。
鶏の照り焼き	朝に鳴く鳥＝吉兆を知らせる。
松風焼き	裏表のない正直さ。心清らかな一年を願う。
紅白もち	丸い形は円満。“望みが叶う”。
黒ごま	魔除けの象徴。
銀杏	子孫繁栄・長寿の象徴。
椎茸（しいたけ）	傘の形が“末広がり”。商売繁盛。
柚子	香りが強く邪気を払う。

30品目の意味をさらに詳しく解説

ここからは、それぞれの料理がなぜお節に入るようになったのか、歴史や文化を交えて深く解説していきます。

黒豆：まめに働く・まめに暮らす

黒豆は「まめに働く」「まめ（健康）に暮らす」の語呂合わせから、健康と勤勉の象徴です。
古くは魔除けの意味もあり、黒い色が邪気を払うとされていました。

数の子：子孫繁栄

数の子はニシンの卵。ニシンは“二親”に通じ、子沢山の象徴です。
子孫繁栄・家の繁栄を願っておせちには欠かせません。

田作り：五万米で豊作祈願

昔、田んぼの肥料として小魚を使っていたため「田作り」と呼ばれます。
五万米（ごまめ）とも簡略化され、豊作を願う料理です。

紅白かまぼこ：魔除けと清浄の色

紅は邪気払い、白は清らかさを表す日本の伝統色。
紅白でめでたさを表現します。

栗きんとん：金運上昇

黄金色の見た目から、金運アップの象徴。商売繁盛の願いが特に強い料理です。

伊達巻：学業成就

巻物を模しており「知識が増える」縁起物。
現代でも受験生の家庭では特に好まれる料理です。

昆布巻：よろこぶ

“よろこぶ（喜ぶ）”に通じ、長寿や家内安全を願って食べられます。

海老：長生き

長いヒゲを持ち、腰が曲がるまで元気でという意味から長寿を象徴します。

ぶりの照り焼き：出世魚の縁起

成長とともに名前が変わる＝出世。
仕事運アップの象徴として人気です。

鯛：めでたい

日本の祝い事に欠かせない“めでたい”魚。
赤い色もおめでたい雰囲気を演出します。

筑前煮（根菜）：家庭運の安定

根菜は土の中にしっかり根を張るため、家庭が安定し繁栄する象徴です。

里芋：子孫繁栄

親芋から小芋が多数生まれるため、子宝に恵まれる料理とされています。

ごぼう：堅実な家庭運

硬くて細く長いごぼうは、縁の長さや家庭の安定を表します。

れんこん：見通しが良い一年

穴が開いているため「先が見える」。
未来が明るく開けるように願う料理です。

にんじん（花形）：祝意と邪気払い

花の形の飾り切りは祝いの象徴。赤い色で魔除けの意味もあります。

たけのこ：成長祈願

成長が早くまっすぐ伸びるため、子どもの成長祈願としてよく使われます。

昆布締め：家庭円満

“むすぶ（結ぶ）”の意味があり、良縁・家庭円満を象徴します。

なます：平和と調和

紅白なますは水引に見立てられ、平和や調和を象徴します。

たたきごぼう：家運隆盛

ごぼうを叩くことで「運を開く」という願いも込められています。

穴子：長寿

長い体の魚は長寿の象徴。細く長い人生を願う意味があります。

八幡巻：成就と安定

巻く＝物事を“成就”させる願い。根菜との組み合わせで土台の安定も意味します。

鶏の照り焼き：吉兆を知らせる鳥

昔は鶏が夜明けを知らせる神聖な動物とされ、幸運の象徴です。

松風焼き：裏表のない誠実さ

片面に味を付け、もう片面は白い状態。“裏表のない心”を表現します。

もち：円満

丸い形は円満・調和を象徴。長寿の象徴としても大切にされています。

黒ごま：魔除け

黒い色は古来より邪気を払うとされてきました。

銀杏：長寿・子孫繁栄

実が多く実るため、家系の繁栄を願う縁起物として重宝されます。

椎茸：商売繁盛

笠の形が末広がりで“運が開ける”と言われます。

柚子：清めと魔除け

強い香りで邪気を払う食材。祝い料理でよく使われます。

まとめ：お節料理は日本の願いが詰まった宝箱

お節料理は「縁起物の詰め合わせ」。
家族の健康、仕事運、金運、子孫繁栄、家運安定…。
日本人が大切にしてきた願いがぎっしり詰まった料理です。

意味を知ることで、お正月の食卓がより豊かで温かいものになります。