カッターシャツとワイシャツの違い|語源の聞き間違いとミズノ創設者が生んだ名称の秘密
ビジネスシーンや学生服でよく使われる「ワイシャツ」と「カッターシャツ」。
どちらも似たような襟付きシャツを指しますが、実は名前の誕生にはまったく異なる背景があります。
本記事では、次の2つの由来を前提に、歴史と違いをわかりやすく解説します。
- ワイシャツ=「white shirt(ホワイトシャツ)」の聞き間違い
- カッターシャツ=ミズノ創業者が野球観戦中の「勝った!勝った!」の声から命名
どちらも日本ならではの文化の中で生まれた呼び名であり、その違いを知ると毎日の装いがちょっと面白く感じられるはずです。
カッターシャツとワイシャツの違い【比較表】
| 項目 | カッターシャツ | ワイシャツ |
|---|---|---|
| 主な地域 | 関西を中心に使用 | 全国で使用 |
| 語源 | 野球観戦中の「勝った!」の声をヒントに、ミズノ創業者が命名 | white shirt(ホワイトシャツ)を日本人が聞き間違え「ワイシャツ」に |
| 誕生時期 | 大正末期〜昭和初期から普及 | 明治時代に洋装文化とともに広まる |
| 元々の用途 | 学生服やスポーツ向けのシャツとして広まる | 白いフォーマルシャツとして普及 |
| 現在の意味 | どちらも「ビジネスシャツ全般」を指す場合がほとんど | |
ワイシャツは「white shirt」の聞き間違いだった
ワイシャツの語源は、英語のwhite shirt(ホワイトシャツ)にあります。
明治時代に洋服文化が日本へ導入され始めた頃、白いシャツがビジネス・礼装の主流だったため、欧米人が話す「white shirt」を日本人がそのまま聞き、やがてそれが「ワイシャツ」として定着しました。
つまり、発音の聞き取りがそのまま名称になった、いわば日本独自の英語“由来”の言葉なのです。
その後、白だけでなく色柄のシャツも普及しましたが、名称だけが残り、現在では
「フォーマル・ビジネス用の襟付きシャツ=ワイシャツ」
として広く使われています。
カッターシャツはミズノ創設者が作った言葉だった
「カッターシャツ」は、関西で特におなじみの言葉ですが、その誕生にはミズノ(美津濃)創業者・水野利八が深く関わっています。
■ 野球観戦で聞いた「勝った!勝った!」がヒントに
水野利八が野球を観戦していた際、観客が試合に勝ったチームへ向けて叫ぶ
「勝った!勝った!」
という声が耳に残ったと言われています。
その勢いのある言葉をヒントに、「着ると勝てるシャツ」という意味も込めて
「カッターシャツ」
と命名したのが始まりとされています。
■ 学生服メーカーを中心に関西で広まり定着
ミズノが野球用シャツを展開したことから、この呼び名は学生服やスポーツメーカーに広まり、特に関西では「白い学生用シャツ=カッターシャツ」として一般化しました。
その結果、関西ではビジネスシャツもまとめて「カッター」と呼ばれるようになり、今では幅広いシーンで使われる名称になっています。
現在はほぼ同じ意味で使われている
このように名称の由来はまったく別物ですが、現代では機能的な違いはほとんどありません。
どちらも一般的な襟付きのビジネスシャツを指す名称として使われています。
地域性で言うなら、
- 関西 → カッターシャツ
- 全国的 → ワイシャツ
という傾向が強く、呼び名の違いが中心です。
どちらを使うべき?
ビジネス文書・商品説明・ブログでは、
「ワイシャツ(カッターシャツ)」
と併記することで、日本全国の読者に伝わりやすくなります。
会話では、関西の方にとって「カッターシャツ」は自然な言い方ですが、全国の人に伝えるなら「ワイシャツ」のほうが無難です。
まとめ
カッターシャツとワイシャツは、現在では同じビジネスシャツを指すことが多いものの、由来には大きな違いがあります。
- ワイシャツ:white shirt の聞き間違いが語源
- カッターシャツ:ミズノ創業者が野球の「勝った!」の声から命名
- 違いは機能ではなく「名称の誕生背景」
- 地域による呼び方の差が大きい
言葉の背景を知ると、毎日のシャツ選びや会話でも少し楽しくなるはずです。
ぜひ今日から使い分けてみてください。


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