混合物と化合物の違いをわかりやすく解説
中学・高校の理科で学ぶ用語に「混合物」と「化合物」があります。
言葉は似ていますが、意味・構造・性質が全く異なります。
日常生活にも多くの例があるので、理解しておくと科学ニュースや生活の知識にも役立ちます。
混合物と化合物の違いを比較表で確認
| 項目 | 混合物 | 化合物 |
|---|---|---|
| 意味 | 複数の物質が混ざっているもの | 異なる元素が化学結合してできた物質 |
| 構造 | 物質同士は混ざっているだけ(結合しない) | 原子同士が結合して新しい物質になる |
| 性質 | 混ざった物質の性質をそのまま残す | 元の物質とは全く違う性質を持つ |
| 組成 | 割合が自由に変えられる | 割合は一定(化学式で決まる) |
| 分離方法 | ろ過・蒸留・蒸発など物理的に分離できる | 化学反応をしないと分離できない |
| 例 | 海水、空気、砂糖水、サラダ油 | 水(H₂O)、二酸化炭素(CO₂)、食塩(NaCl) |
| 分類 | 純物質ではない | 純物質に分類される |
混合物とは?
混合物とは、2種類以上の物質が混ざっている状態のことです。
混ざってはいるものの、各物質は結合しておらず、性質はほぼ元のままです。
混合物の特徴
- 複数の物質が混ざっているだけ
- 化学結合は起きていない
- 割合(濃度)を自由に変えられる
- 物理的な方法で分離できる
- 性質はもとの物質を引き継ぐ
混合物の具体例
- 海水(塩+水)
- 空気(窒素・酸素などの気体)
- 砂糖水(砂糖+水)
- 土・岩石(さまざまな物質の集合)
- サラダ油(複数の脂肪酸の混合)
たとえば海水は、熱すれば水だけを蒸発させて塩を取り出せるため、物理的に分離できます。
これが混合物の大きな特徴です。
化合物とは?
化合物とは、異なる元素同士が化学結合してできた物質です。
化学式で表され、構成比(組成)は常に一定です。
化合物の特徴
- 異なる原子同士が結合してできる
- 性質は元の元素と全く異なる
- 化学式で表される(H₂O、CO₂など)
- 分解には化学反応が必要
- 純物質として扱われる
化合物の具体例
- 水(H₂O)…水素+酸素
- 食塩(NaCl)…ナトリウム+塩素
- 炭酸ガス(CO₂)…炭素+酸素
- アルコール(C₂H₅OH)
- アンモニア(NH₃)
例えば「水」は水素と酸素から作られますが、水の性質は水素とも酸素とも全く異なります。
これが化合物の大きな特徴です。
混合物と化合物の決定的な違い
① 化学結合があるかどうか
化合物では原子同士がしっかり結合して新しい物質になります。
一方、混合物はただ混ざっているだけで結合しません。
② 性質が新しく生まれるかどうか
化合物は新しい性質を持ちますが、混合物は元の性質をそのまま残します。
③ 分離方法の違い
- 混合物 → 物理的に分離できる(ろ過・蒸留)
- 化合物 → 化学反応が必要
④ 組成が一定かどうか
化合物は化学式により組成が固定されていますが、混合物は割合を自由に変えられます。
日常生活での見分け方
普段の生活でも、この違いは意外と役立ちます。
■ 混合物の例
- ジュース(砂糖+水+香料)
- 味噌汁(さまざまな成分の混合)
- コーヒー(豆の成分の混合物)
■ 化合物の例
- 砂糖(C₁₂H₂₂O₁₁)
- ビタミンC(C₆H₈O₆)
- 炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)
まとめ:混合物は“混ざっているだけ”、化合物は“結合して新しい物質”
混合物と化合物の違いはシンプルにまとめると次の通りです。
- 混合物:混ざっているだけ・性質はそのまま・物理的に分離できる
- 化合物:結合して新しい物質・性質が変わる・化学反応が必要
理科だけでなく、料理や生活の中でも役立つ知識なので、ぜひ覚えておきましょう。
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