NATO(北大西洋条約機構)とは?わかりやすく解説
「NATO(読み:ナトー)」とは、北アメリカとヨーロッパの国々がつくる軍事同盟です。
正式名称はNorth Atlantic Treaty Organization(北大西洋条約機構)。
1949年に結成され、現在は31カ国以上が加盟しています。
目的はズバリ、加盟国同士が協力して安全保障を守ること。
最も有名なのは、アニメの必殺技のような「第5条(集団防衛)」で、
1つの国が攻撃されたら、全員で反撃するというルールです。
なぜNATOが作られたの?
NATOが誕生した背景には、第二次世界大戦後の米ソ対立(冷戦)がありました。
西側諸国(アメリカ・西ヨーロッパ)は、ソ連の軍事的脅威に対抗するため、
「団結して守ろう!」という目的でNATOを作ったのです。
つまり、NATOは西側陣営の“安全保障の柱”として設立されました。
NATOの基本ルール「集団防衛(第5条)」
NATOの最重要ルールがこちらの第5条です。
● NATO加盟国のどこか1カ国が攻撃されたら、他の全加盟国が一緒に反撃する
この「一緒に戦うよ」という約束が、攻撃をためらわせる抑止力となり、
加盟国の安全を高めています。
実際に第5条が適用されたのは、2001年の米同時多発テロが初めてです。
NATOの加盟国一覧(2025年時点)
| 地域 | 主な加盟国 |
|---|---|
| 北アメリカ | アメリカ、カナダ |
| 西ヨーロッパ | イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン |
| 北欧 | ノルウェー、デンマーク、アイスランド、スウェーデン、フィンランド |
| 東欧 | ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア |
| バルト三国 | エストニア、ラトビア、リトアニア |
| 南東欧 | クロアチア、スロベニア、北マケドニア、アルバニア、モンテネグロ |
※加盟国は増え続けており、特に2020年代はロシアのウクライナ侵攻を背景に、北欧諸国の参加が相次ぎました。
NATOは何をしているの?役割をやさしく解説
1. 加盟国の安全を守る(集団防衛)
武力攻撃に備えた共同防衛が柱です。
そのための軍事演習や防衛計画を常に実施しています。
2. 軍事力の標準化
弾薬・装備・作戦方式などを共通ルールにすることで、
各国の軍隊が一緒に行動しやすくしています。
3. 危機管理(紛争地域への派遣など)
アフガニスタン派遣やバルカン半島の平和維持活動など、
国連とも連携して国際平和に貢献する役割があります。
4. サイバー防衛
近年はサイバー攻撃が増えているため、
共同のサイバー防衛センターを設立し、各国の技術力も統合しています。
NATOとロシア・中国との関係は?
NATOはロシアの勢力拡大に警戒しており、
ロシアは「NATOが東側に拡大しすぎている」と主張して対立しています。
ウクライナ戦争もこの安全保障問題が背景にあります。
中国とは直接の対立構造ではないものの、
軍事力の増加やインド太平洋地域の安全保障で関心が高まっています。
NATOと日本の関係
日本はNATOに加盟していませんが、
「NATOのパートナー国」として協力関係を持っています。
サイバー防衛・軍事技術・国際安全保障などの分野で協力を進めています。
NATOをひとことでまとめると?
NATOは、
「みんなで守る」を合言葉にした世界最大の軍事同盟です。
加盟国は、1国への攻撃を「全員に対する攻撃」とみなし、
協力して安全保障を維持しています。
国際情勢のニュースに登場する理由は、
世界の安全保障に大きな影響力を持つ存在だからです。


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