しめ縄を飾る理由とは?神様を迎えるための清めの印
お正月になると、玄関や神棚に飾られる「しめ縄(しめ飾り)」。
見た目はよく見るけれど、「なぜ飾るのか」「いつまで飾るのか」をきちんと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、しめ縄の意味や由来、飾る時期や注意点までをわかりやすく紹介します。
しめ縄とは?
しめ縄(注連縄・標縄)とは、神聖な場所とそうでない場所を区切るための縄のことです。
「神様の領域」と「人間の世界」を分ける“結界”のような役割を持っています。
つまり、しめ縄を張ることで「ここは神聖な場所ですよ」というサインになるのです。
古くは神社の鳥居や御神木などにしめ縄が張られており、神聖な場所を示す目印とされてきました。
正月にしめ縄を飾るのも、年神様(としがみさま)を迎えるための「神聖な結界」を作るという意味があるのです。
しめ縄を飾る理由
① 神様を迎える“清め”の意味
しめ縄を飾る最大の理由は、「神様を迎える準備」として家を清めるためです。
日本では古来より、神様は“清らかな場所”に降り立つと考えられてきました。
そのため、年の初めに家をきれいに掃除し、玄関や神棚にしめ縄を飾って、
「この家は清められています。神様、どうぞお入りください」とお迎えするのです。
② 悪いものを寄せつけない魔除けの意味
しめ縄には、邪気や災いを家に入れないという“魔除け”の力もあります。
縄を「結ぶ」「ねじる」という形そのものが、悪霊を封じるという信仰に結びついており、
正月の期間中はその家を守るお守りのような役割も果たしています。
③ 神話が由来になっている
しめ縄の起源は、日本神話『天岩戸(あまのいわと)』の物語にあります。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れてしまったとき、神々が協力して岩戸を開け、
再び外の世界に出てこられた天照大神が再び岩戸に入らないよう、岩戸の前に縄を張った――
それが“しめ縄”の始まりだと伝えられています。
この逸話から、「神を迎え、悪を寄せつけない象徴」として、今でもしめ縄が使われているのです。
しめ縄を飾る時期
しめ縄を飾るのは、年神様を迎える「松の内」に合わせるのが基本です。
飾り始めるのに縁起が良いとされているのは12月28日。
「8」は末広がりの数字で、縁起が良いとされています。
逆に避けたほうがいい日もあります。
- 12月29日:「二重苦」と読めるため不吉。
- 12月31日:「一夜飾り」といって、神様に失礼とされる。
片付けるのは、松の内が明ける1月7日(関西では1月15日)が一般的です。
飾る場所と形の違い
しめ縄やしめ飾りは、飾る場所によって形や意味が少し異なります。
| 場所 | 飾り方・意味 |
|---|---|
| 玄関 | 家全体の清めと神様を迎える入口として飾る |
| 神棚 | 神様への感謝を込めて一年の無事を祈る |
| 台所 | 火の神(荒神様)を祀る意味で飾ることも |
最近ではリース風のデザインなど、洋風インテリアにも合うおしゃれなしめ飾りも増えていますが、
基本的な意味は昔と変わりません。
飾り終えた後はどうする?
正月が終わったしめ縄は、そのまま捨ててはいけません。
神様を迎えた神聖なものですから、神社の「どんど焼き」でお焚き上げしてもらうのが正式な方法です。
もし行けない場合は、塩で清めて紙に包み、感謝の気持ちを込めて処分します。
このときも、他のゴミとは分けて扱うようにしましょう。
まとめ
しめ縄は単なる正月飾りではなく、神様を迎えるための清めと結界の象徴です。
古代から続く日本人の「年の始まりを清らかに迎える心」が込められています。
- しめ縄は神聖な場所を示す「結界」
- 神話「天岩戸伝説」に由来
- 飾るのは12月28日が吉、片付けは1月7日頃
- どんど焼きでお焚き上げして感謝を伝える
お正月にしめ縄を飾るという習慣は、単なる伝統ではなく、
「一年の始まりを大切にする日本人の心」を映した文化なのです。

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